水のふるさとを守るということ
きれいな水が生まれる場所には、豊かな森が広がっています。それは自然が長い時間をかけて育んできた、命の営みのバランスです。
一方で、気候変動や森林破壊により、世界中で水不足が大きな課題となっています。
SDGsの目標の1つ「安全な水とトイレを世界中に」も、水資源の重要性を訴えています。世界では2030年に向けて「30 by 30」、2030年までに世界の陸と海の30%以上を保全することを目標とし、水に関連する生態系の保護・回復にも努めていくように動き出しています。
水と暮らしが密接につながる日本でも、海洋保護区や自然環境保全区の拡大が進められています。
「水が生まれる場所」を支えていく
アスクルの代表商品の一つ、ミネラルウォーター「LOHACO Water」は、群馬県・嬬恋村の地下250メートルからくみ上げた、口に優しい軟水です。「LOHACO Water 210mlラベルレス」「LOHACO Water 410mlラベルレス」は、100%リサイクルPETを使用し、プラスチックごみの削減に貢献しています。
LOHACO Water 210ml 1箱(20本入)
アスクルは容器だけでなく、水の“生まれる場所”にも目を向け、水源を未来に残す取り組みを進めています。水のふるさとを未来に残すための新しい取り組みをスタートしました。
2023年8月、「LOHACO Water」に携わるアスクルとアスクルのグループ会社である嬬恋銘水、そして嬬恋村の三者が「森林整備連携協定」を締結し、嬬恋村の森林をはじめとした環境保全や地域活性化に取り組みはじめました。
嬬恋村:森林整備による治山治水の維持、地域活性化の推進
アスクル:環境保全や生物多様性への貢献
嬬恋銘水:持続的な水資源活用と地域認知の向上
この協定をきっかけに、商品と環境、地域との関係がゆるやかにつながりはじめました。
飲む人の手元に届くその一滴が、実は森の営みに支えられていることを意識し、水を商品として販売する企業と森を育む地域が一緒に守っていくということーー。
それは、企業のCSR活動という枠を超えた、「商品の背景にある自然環境ときちんと向き合う企業の姿勢」を行動で示すものでもありました。
森を育てて、水を守り、災害に強い環境を
2024年5月、「嬬恋グリーンプロジェクト」が動き出しました。
森を守ることは水を守ることでもあります。
森を守るためには、森の植物と生態系を正常化する必要があります。
まず、「水質浄化」効果。森林の土壌は、自然のフィルター。地中を通る水をろ過・吸収・分解し、きれいな水を育てます。
さらに、「CO2吸収」効果。樹種や樹齢によって異なりますが、1ヘクタールあたり年間約8.8tの二酸化炭素を吸収するとも言われています※。
最後に、「災害対策」効果。さらに、木々が根を張ることで水が地中に染み込みやすくなり、洪水や渇水といった災害のリスクを和らげます。
※林野庁:https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html
一方で、手入れされない森は、木々が弱り病気が広がるリスクや、土壌がやせてしまう恐れもあります。
名水は、清らかな森と良質な地層があってこそ。だからこそ、森林の健全な維持管理が欠かせません。そして、その一歩となるのが「植樹」です。
10年で2万5,000本の植樹が広がる
「嬬恋グリーンプロジェクト」は、嬬恋村鎌原地区にある1ヘクタールの森での植樹からスタート。
この森には、「アスクル・嬬恋銘水の森」という名前がつけられました。
第一回目の2024年5月には、嬬恋村の熊川村長、嬬恋銘水の豊田社長、アスクルの玉井取締役をはじめ、アスクル社員など34名が森に集まりました。
雑草などの抜粋後にミズナラやイタヤカエデなどの植樹が行われました。植えられたのは、ミズナラ2,250本とイタヤカエデ250本の、あわせて2,500本の苗木です。
その後、社員と専門ガイドが一緒に森を歩き、湧水や生態系について学ぶ時間を過ごしました。
植樹は、継続して行なっていきます。
2025年もアスクルの吉岡代表取締役社長をはじめ多くの社員が参加し、引き続き植樹が行われました。さらに、学ぶ自然体験プログラムとして「アスクル・嬬恋銘水の森」の生態や森林保全について森を歩きながら学びました。
未来につながる優しい循環へ
森は、今日明日で育つものではありません。
しかし、数十年先の水や森、そして人の暮らしを想像しながら、お客様と共に丁寧に育てていきたいと願っています。
「LOHACO Water」のボトルには、森と人、地域と企業が共に育てていくストーリーがあります。
「次世代につなぐ地球環境への貢献」を掲げるアスクルにとって、森林や地域への支援は未来への責任です。
一滴の水の背景にある美しい森と手渡したい未来。
森には多様な生物が密接なバランスで生息しています。森林を管理し、水を守り、生物多様性も支えていく。森林環境の保全から、環境問題、社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
今後も、植樹や森林保全への理解を深めながら、持続可能な水資源の循環を支えていきます。
