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シートとパッケージの機能性や香り、デザインへのこだわりがロングセラーの秘密
ーー「トイレのおそうじシート」は、ASKULやLOHACOのショッピングサイトの中でもロングセラー商品だそうですね。まず一目見て、デザインがかわいいなと思いました。
川上:デザインは香りの種類が一目で分かって、かつそのままトイレに置いても空間をかわいく彩る仕上がりになっています。そこは私としても、すごく気に入っているポイントです。
トイレ掃除って、正直ポジティブな印象がないですよね。「できればやりたくない」という方も多いと思います。そんな中で、少しでもデザインで前向きな気持ちになっていただけたら、という想いがあります。
ーー使う人の気持ちや体験も大切にしているんですね。
川上:そうですね。香りのラインナップにもその考えが表れていて、選んでいただく楽しさを大切にしています。長らくオレンジとローズの2種類で展開していたのですが、昨年9月にミントを追加しました。
掃除用品の中には、香りが手について洗ってもなかなか落ちないものもある中で、この商品シリーズはどれも「香りの強さがちょうどいい」と評価いただいています。
ーー確かに。トイレ周りの製品は香りが強いものが多いですが、これはわりとナチュラルな香りですよね。
川上:そうですよね。香りはどうしても主観によるところも大きいので、部署の垣根を超えて、社内のいろいろな人に意見を聞きながら形にしています。
商品開発となると、どうしても数値などのデータに重きを置きがちですが、私たちも生活者の一人なので、アスクルでは社員自身の感覚も大切にしています。数値では測れない、使う人の気分や体験も重視しているからです。
ーーシート本体の機能性やこだわり、他製品との違いについても教えてください。
川上:まず、シートに厚みがあるのが特徴です。その厚さに見合うだけの薬液もしっかり含んでいるので、お掃除の最後まで液が残った状態で、破れることなく使用できます。表面のエンボス加工もポイントで、この凹凸が汚れをしっかりとかき取ってくれます。
さらに、シートが大判で真ん中にはミシン目が入っているので、半分は便座やフタ、もう半分は周辺の床を拭くといった使い分けができて、終わったらそのままトイレに流せるのも便利です。
しっかりした作りのため、「他の商品も使ってみたけど、満足できなくて結局この商品に戻ってきました」というお客様も多いです。安くてたくさん使えるものよりも、1枚でしっかりキレイに拭けるものの方が、満足度が高いのかなと思います。
それから、シートは植林木などの適正に管理された原材料を使用していて、FSC®認証ラベルを取得しているので、環境にもやさしいんです。
ーーほぼ毎日使うものほど、満足度や環境への配慮は大事ですよね。パッケージの特徴についても聞かせてください。
川上:最大のポイントは、ファスナー付きのラインナップがあることです。ファスナー付きのトイレ掃除用のシートは、世の中でも珍しいと思います。
よくあるケースタイプだとボックス内で乾燥しやすいのですが、ファスナーで気密性を高めることで解決しています。それに袋のまま使えるので、ケースタイプよりもプラスチック使用量が少なく、環境にもやさしいんです。
加えて、自立できる形状でコンパクトなので、収納スペースが少ないトイレでも、ちょっとした隙間に置けるのもポイントです。
前担当者の想いを引き継いで、対馬の海を守るプロジェクトを広めたい
ーー「トイレのおそうじシート」の一部の製品は、対馬の海洋ごみの回収や処理に役立てるための寄付金対象になっているそうですね。その背景を教えてください。
川上:はい。この商品シリーズ自体は、今年4月から「TSUSHIMA×ASKUL project」の寄付金対象になりました。
そのきっかけは、前担当者の環境への強い思いでした。この商品を共同開発している大王製紙様も、「紙を中心とした天然素材を扱う企業として、環境配慮に取り組みたい」という考えをお持ちだったこともあり、「この商品を通して一緒に環境への取り組みができないか」という話が生まれました。
それから大王製紙様と一緒に対馬のスタディツアーに参加したところ、海流や地形の関係で対馬の海岸には大量の海洋ごみが漂着する、という現地の状況を知り、「対馬の課題解決に貢献しよう」という決断につながったのです。
商品購入によって寄付されたお金は、他の「TSUSHIMA×ASKUL project」対象商品の寄付金と合わせて、ごみの回収や処理に役立てられています。
ーー川上さんご自身は、この取り組みをどのような想いで引き継がれたのでしょうか?
川上:前担当者は私の直属の先輩で、入社時の教育担当でもありました。ですので、対馬のプロジェクトの報告会の様子なども間近で見てきました。
私自身はまだ対馬へ訪れたことがないのですが、報告会の資料を見ただけでも海岸のごみの量に本当に驚いたんです。この量のごみが流れ着くのかと。現地の方がどんなに一生懸命ごみを拾っても、すぐに海流の影響でまたごみが流れ着いてしまう。その光景にとても衝撃を受けました。
そんな現状を間近で聞くうちに、「私にも何かできることがあるなら貢献したい」という気持ちが強くなりましたし、今年は私も対馬のスタディツアーに参加します。こうした活動を通して、先輩の想いをしっかり受け継ぎたいと思っています。
トイレのおそうじシートで、環境について考えるきっかけ作りを
ーー対象商品を買うだけで、寄付という形で社会貢献できる点について、お客様からの声があれば教えてください。
川上:「トイレのおそうじシート」の一部の製品が寄付金対象だと気づいてくださったお客様からは、「商品を買うことで少しでも社会貢献ができると思うと嬉しい」「自分では対馬に行けないし、わざわざ寄付するのも難しいから、商品購入で貢献できるのは嬉しい」といったお声をいただきました。
ただ、「最初は寄付のことに全然気づかなかった」とおっしゃっていたお客様もいらしたので、もっと気づいていただけるように頑張らなければと思います。
ーー「TSUSHIMA×ASKUL project」について、伝えたい思いがあれば教えてください。
川上:ふだんの生活で環境問題に直接関わることって難しいですよね。対馬のごみ問題を知って課題に感じても、実際に現地でごみ拾いをすることはなかなかできません。
だからこそ、ふだんのお買い物を通して、少しでも環境や社会問題について知ったり考えたりするきっかけになれば嬉しいなと思っています。
ーーでは、最後に改めて「トイレのおそうじシート」の個人的なお気に入りポイントを教えてください。
川上:個人的には、やっぱりファスナーですね。シートが乾きにくいのが、とにかく便利だと思っています。
あとは、ケースタイプだと箱にほこりが溜まりがちですが、そういった小さな課題も解決できる点も含めて良い商品だと思っています。ぜひ一度、試してみてくださいね。