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「Creative Solution Awards」とは?

「Creative Solution Awards」は、御茶の水美術専門学校の学生が、企業や行政機関から出題される課題にクリエイティブの力で応える産官学連携のプロジェクトです。
テーマは9月後半に出題され、学生は授業を通して各参加企業へのヒアリングを行った上で企画に取り組みました。今回は、アスクルの他に花王株式会社、株式会社竹尾、DIC株式会社、株式会社ニッポン手仕事図鑑、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンが参加し、学生にテーマを出題。
その取り組みの成果は、2025年11月7日〜9日に開催された「Creative Solution Awards -2025 3rd Presentation-」で、企画内容を具現化したブースの出展を通して発表され、最終的に受賞チームが決定しました。
プロジェクトの流れ
本プロジェクトの中で、アスクルは学生からなる4つのチームと共創。プロジェクトは、主に以下の流れで進行しました。
①アスクルが4チームにテーマを出題
②アスクルの豊洲本社でオリエンテーション
・アスクルの事業内容やサステナブルに関する取り組みを説明
・4チームから事前に提出された質問一覧へ回答
・4チームで社内見学をして、企業の雰囲気やカルチャーを学ぶ
③提案内容を発表
4チームとも、オリエンテーションから提案内容の発表まで、わずか3週間で企画を形にしてくれました。
テーマは「資源循環を身近に感じる購買体験の設計」
アスクルが提示した出題テーマは、「消費者が資源循環を身近に感じ、自分の行動として取り組めるような購買体験の設計」です。アスクルが運営する、「資源循環プラットフォーム」を土台としています。
学生には、この資源循環について、消費者の興味・関心を引いて誰でも自然に取り組みに参加したくなる仕掛けや仕組みの工夫、そして一人ひとりの行動変容につながる購買体験の設計に挑戦してもらいました。
捨てない仕組みをつくる「資源循環プラットフォーム」とは?
出題テーマの背景となった「アスクル資源循環プラットフォーム」は、商品のライフサイクル全体を通じて資源循環の取り組みを進めるため、2022年4月に立ち上がりました。
具体的には、使用済みのクリアホルダーを買い取って再資源化・再商品化する取り組みや、飲料・食品・洗剤などの容器を捨てずに再利用する仕組みです。商品のライフサイクル全体で、リサイクルとリユースの拡大を目指しています。
Creative Solution Awardsの開催内容は?

企画の発表の場となった「Creative Solution Awards -2025 3rd Presentation-」は、2025年11月7日〜9日の3日間にわたって開催され、一般の来場者も多く訪れました。会場では、学生たちがチームごとにブース出展やプレゼンテーションを行い、企画内容を来場者や審査員に直接紹介しました。
その発表を受けて、各企業がそれぞれの視点で「企業奨励賞」を選出。さらに、教員の教育的視点と特別審査員の第三者的視点で「最優秀賞」も決定しました。
アスクルと共創した4チームの企画を紹介!

ここからは、アスクルが出題した「消費者が資源循環を身近に感じ、自分の行動として取り組めるような購買体験の設計」の課題に取り組んだ、4チームの企画内容をご紹介します。
DOJO
アスクルが「企業奨励賞」として選出したのは、資源循環を身近に感じられるシェアオフィス事業「DOJO」。個人事業主や少人数体制の企業を主なターゲットとして、快適なオフィス空間の提供と資源循環の仕組みを両立している点が特徴です。
DOJOのシェアオフィス空間では、不要になった文具やオフィス用品を譲り合えるサービス「どうぞの棚」の設置を想定しています。利用者は、使わなくなったペンやファイル、備品などを棚に自由に陳列して、必要とする人がそれを持ち帰ることができます。

廃棄されがちなオフィス用品に新たな行き場を与えることで、ムダを減らし、自然な形でリユースを促せる仕組みです。
また、単にオフィス用品を循環させるだけでなく、譲る側の「どうぞ」と受け取る側の「どうも」という気持ちが、人と人との緩やかなつながりを作ります。そうすることで、利用者にとってリユースが日常の行動として定着していき、資源循環への意識も高まっていくことを期待した企画です。

バトンタッチ文具

「最優秀賞」に輝いたのは、中学校を舞台にした循環型文具プロジェクト「バトンタッチ文具」です。
中学校がアスクルで購入した「バトンタッチ文具」を、中学2年生が3年生に進級するタイミングで配布し、生徒たちが日々の学校生活の中で使用します。そして卒業を迎える前、その文具を通した思い出を手紙に記して、文具とともに後輩に「バトンタッチ」するのです。

文具が使い切られた時点で役目を終えるのではなく、想いとともに次の誰かへと受け渡されることで、新たな物語がスタートする、という考え方を大切にしています。「リレーする」購買体験を通じて、子どもの頃から資源循環への主体的行動や気持ちのつながりを育むことを目指しています。
Nekokul
Nekokul(ねこくる)は、「猫×資源循環」をテーマに、猫カフェにて再生資源を使用して作った猫じゃらしの貸し出し・販売を行う企画です。
再生ポリエステルや再生ペレットといったリサイクル素材を原料とする他、ペットボトルキャップも活用して猫じゃらしを作ることで、資源の有効活用とプラスチックごみの削減に貢献します。

猫カフェを訪れた利用者が、Nekokulの猫じゃらしを購入して遊んだ後は、再び猫カフェに返却。それを次の猫じゃらしの材料としてリサイクルする形で、再び店舗内での貸し出しや販売に活用されます。利用者は特に負担を感じることなく、日常的に資源循環に参加することができます。
この企画の特徴は、利用者の「猫を喜ばせたい」という自然な動機に注目している点です。一般的に、資源循環に参加するのは難しそう、面倒だと思われがちです。そこで、猫を飼っている人の「猫のためであれば手間を惜しまない」という行動特性に着目。猫のために選んだ猫じゃらしが、結果として資源循環につながる仕組みなのです。

Recycle Quest
Recycle Quest(リサイクエスト)は、文化祭の催し物としての実施を想定した、クリアホルダーのリサイクルについて楽しく学べるクイズラリーの企画です。
文化祭の来場者は、配布された地図を手がかりに校内に隠されたクイズスポットを巡り、「リサイクルされたクリアホルダーは何に生まれ変わる?」「集められたクリアホルダーが溶かされてできるプラスチックペレットはどんな形?」といった2択形式のクイズに挑戦します。

そして全問正解者には、抽選でステッカーや「Matakul」の商品をプレゼント。Matakulとは、アスクルの資源循環プラットフォームから生まれたプライベートブランドで、使用済みのクリアホルダーを原料とした文房具やオフィス用品を展開しています。
この企画のテーマは、「知ってるだけから日常に」。クイズを通して得た知識をきっかけに、日常生活の中でリサイクルを意識し、行動につなげてもらうことを目指しています。

Creative Solution Awardsで見えた、資源循環の新しい可能性
今回、アスクルはCreative Solution Awardsでの学生との共創を通じて、消費者の行動変容につながる多くのヒントを得ることができました。
実際にどの提案もすばらしく、普段の企業活動の中ではなかなか思いつかない点や見落としがちな点を掘り下げて提案してくれました。
特にアスクルが企業奨励賞として選出した「DOJO」は、コワーキングスペースという新しい目線で資源循環を捉えており、すぐにでもサービスとして提供できそうな案でした。
今回のプロジェクトは、アイデア次第で資源循環はより身近で自然な行動へと変えられるという可能性を改めて実感する機会となりました。


