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ヨーロッパの循環型社会をヒントに、商品開発がスタート

シックなグレーの本体に、サイズごとに色が異なるカラフルな取手。控えめでありながら遊び心もある「Come bag」は、アスクルの古いカタログをリサイクルしてつくられた紙袋です。
「役目を終えたカタログをまた使えるものへと循環させていきたい」。「Come bag」は、そんなアスクルの想いから始まった循環の輪に、購入するだけで気軽に参加できるアイテムなのです。
商品誕生のきっかけは、アスクルの担当者がヨーロッパで見た、循環型社会のあり方でした。2019年、アスクルの商品担当メンバーは、環境先進国と言われるドイツなどのヨーロッパへ視察に行きました。
当時の日本は、まだSDGsやレジ袋有料化が一般化していない頃。一方で、ヨーロッパではすでに廃棄されるプラスチックや紙を再資源化し、製品へと生まれ変わらせる取り組みが広がっていました。
2015年にSDGsが採択され、ヨーロッパでは当時から続々と環境に対する施策が始まっていました。2019年には、フォークやナイフ、ストローなどの使い捨てプラスチックの製品流通を禁止する法案が採決され、EU加盟国が法制化に乗り出していたのです。
スーパーで使われるストレッチフィルムの端材や、クリーニングで使われる衣類カバーなどがリサイクルされ、再び商品として店頭に並んでいました。しかも、そうした商品はオシャレで、思わず「使ってみたい」と思わせるデザインばかり。
「アスクルでも何かできないか」――そう考えた担当者は、帰国後すぐに動き出しました。
アスクルの古いカタログに着目。リサイクル資源ならではの課題とは?

まず取り組んだのは、社内でどんなリサイクル資源が出ているかを調べることでした。注目したのは、アスクルのカタログ。新しい号が発刊されると、古い号は資源活用のために再資源業者へ引き渡されていました。
「このカタログを紙袋に生まれ変わらせよう」。そこから、製品化へ向けて動き始めました。ただ、カタログのリサイクルには課題もありました。
「循環型社会」という考え方がまだ一般的でなかった当時、多くのメーカーは規格外の取り組みには慎重で、少量生産や追加の手間に難色を示しました。それでも、アスクルの環境チームと担当者は各社を回り、粘り強く理解を求めたのです。
「環境に良いものでも、日常で使ってもらえなければ意味がない。だからこそ、使いやすい値段で、使い勝手のいいものを作りたい」。担当者のそんな想いをもとに、協力メーカー各社とのつながりを形にしていきました。
そこからさらに、メーカー各社と商品の品質や仕様を詰めていきました。リサイクル資源を原料にすると、強度が落ちやすいという課題もあったのです。
試行錯誤の末、アスクルカタログ由来の再生紙を全体の15%程度だけ混ぜることで、紙袋としての強度と質感を保つことに成功しました。
顧客のニーズや新たな循環の形を取り入れて、アップデート

「Come bag」の第2弾として生まれた、横長・平紐タイプ3サイズ
こうして2021年にコロナ渦を乗り越えて、ついに発売された「Come bag」。商品名には、カタログが紙袋になって戻ってきた、という意味から「Come back(カムバック)」と「bag(バッグ)」が掛かっています。
「Come bag」は、オシャレな見た目に惹かれた人や環境配慮に共感した人、手頃で使いやすいからとリピートする人など、さまざまな人に受け入れられてきました。
ラインナップも広がりを見せ、第1弾は4サイズで取手の色が異なるデザインで展開し、第2弾では顧客の声をもとに横長サイズや平紐タイプを追加。そして第3弾では、木材や紙製品を加工する際に出る端材を活用するなど、新たな循環の形を取り入れました(※)。
「身近に使えるものだからこそ、環境への配慮を自然に取り入れてほしい」。アスクル担当者のそんな想いが、「Come bag」には込められています。
※「Come bag」の第3弾は、在庫がなくなり次第、販売終了いたします。
一枚の紙袋から、持続可能な未来へ
日本では、2020年にレジ袋の有料化が始まり、この5年でSDGsの考え方も急速に広まりました。いまや環境に配慮した商品は特別なものではなく、選ばれる基準の一つになっています。
そうした流れのずっと前から、循環の仕組みを取り入れようと挑戦してきた「Come bag」。役目を終えたものを資源としてよみがえらせ、オシャレで使いやすい紙袋にした背景には、アスクル担当者の「未来に向けて小さな循環を積み重ねたい」という想いがあります。
手に取った一枚の紙袋から、持続可能な未来が広がっていくーー。そんな循環の輪のきっかけ作りをアスクルはこれからも続けていきます。

