この記事の目次
サステナブルとは?
「サステナブル(sustainable)」には、直訳すると「持続可能な」という意味があります。地球の資源や環境を守りながら、今だけでなく未来の世代も安心して暮らせるようにする考え方のことで、環境・社会・経済のバランスを大切にしながら、長く続けられるライフスタイルや発展のことを指します。
なぜ今「サステナブル」が注目されているの?
「サステナブル」が注目されている理由は、私たちのくらしや社会がこのままでは持続できなくなるかもしれないからです。その背景には、次のような問題があります。
・地球温暖化や海洋汚染などの環境の悪化
気温の上昇や異常気象、海洋プラスチックゴミの増加などが、世界中で問題になっています。
・資源の枯渇
石油や天然ガスといった限りある資源がどんどん減ってきており、将来の供給が心配されています。
・貧困や格差、人権といった社会課題
世界中で、人々の生活の格差や労働環境の問題が指摘されています。
・SDGsの広がり
2015年に国連が定めた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」では、17のゴールを掲げ、世界中の人や企業が課題に取り組むきっかけになっています。
・消費者の意識の変化
特に若い世代を中心に、「環境にやさしい商品を選びたい」「社会に貢献できる買い物をしたい」といったムーブメントが広がっています。
こうした変化のなかで、企業だけでなく、個人にも「サステナブルな選択」が求められるようになってきているのです。
エコやエシカルとの違いは?
「サステナブル」と似た言葉に「エコ」と「エシカル」があります。どれも同じような言葉に見えますが、実はそれぞれに少しずつ違いがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
・サステナブル(Sustainable)
環境・社会・経済のバランスをとりながら、未来の世代にもやさしいくらしや仕組みを作っていこうという考え方です。視点が長期的であることがポイントです。
・エコ(Eco)
「エコ」は、環境へのやさしさに特化した言葉です。例えば、省エネ、リサイクル、ゴミの削減など、自然環境への負担を減らすことを重視します。
・エシカル(Ethical)
「エシカル」は、倫理的でモラルにかなった行動を大切にする考え方です。フェアトレードや動物福祉、労働者の権利など、人や社会への思いやりに焦点を当てています。
つまり、サステナブルは「エコ」や「エシカル」を含んだ、より大きな枠組みで、エコは環境面、エシカルは人や社会の面で、サステナブルなくらしを支える大切な要素だと言えます。
サステナブルなくらしとは?
サステナブルなくらしとは、地球や社会にやさしく、未来のために資源を大切に使うライフスタイルのことです。
国連環境計画(UNEP)は、「地球の限りある資源の中で、豊かな生活を実現できる選択や習慣のこと」と定義しています。つまり、自分も心地よく、未来のためにもなる、豊かで満足度の高いくらし方だと言えます。
くらしの例としては、例えば以下があります。
・使う資源をムダにしない(省エネ・節水・リユースなど)
・物を買う時に「環境や社会にやさしいか」を考える
・エネルギーの使い方を見直して、電気やガスの消費を減らす
・地元のコミュニティや活動に参加して、人とのつながりを大切にする
こうした行動をできることから少しずつ取り入れて積み重ねていくことが、いつしか地球や社会にとって大きな力になるのです。
サステナブルなくらしには、どんなメリットがあるの?
サステナブルなくらしには、地球環境や私たちのくらしにとって、たくさんのメリットがあります。ここでは、主な3つのメリットをご紹介します。
1. 環境を守ることにつながる
サステナブルなくらしをすることで、地球環境への負担をぐっと減らすことができます。
例えば、二酸化炭素の排出を減らせば、気候変動の悪化をおさえることができます。また、ゴミやプラスチックの量を減らせば、海や土壌の汚染を防げるのです。その結果、生き物の多様性を守ることにもつながります。
地球にやさしい選択を積み重ねることが、自然環境を次の世代につなぐ一歩になります。
2. 生活にかかるお金を減らせる
サステナブルなくらし方は、家計にもやさしいのが特徴です。
電気やガスの使い方を見直せば光熱費が削れる他、本当に必要なものを選んで長く使えば、ムダな買い物や買い替えの回数を減らせます。
3. 心が満たされるくらしにつながる
サステナブルなくらしは、「心の豊かさ」を大切にする生き方でもあります。ものに頼り過ぎなくても満ち足りた気持ちで過ごせるようになり、「本当に必要なもの」と「なんとなく欲しいだけのもの」を見分ける力も自然と身についていきます。
また、「未来のために行動している」という実感は、自信や満足感にもつながります。ほんの小さな行動であっても、それが地球や誰かの役に立っていると感じられることで、日々のくらしに前向きな気持ちが芽生えていくのです。
今日から始めよう!手軽にできるサステナブルなくらし<初級編>
サステナブルなくらしは、特別なことをしなくても、ちょっとした工夫から始められます。ここでは、日常生活にすぐ取り入れられる「初級編」のアイデアとおすすめアイテムをご紹介します。
1. マイバッグ・マイボトルを持ち歩く
最も始めやすいアクションの一つが、マイバッグやマイボトルの利用です。買い物の時にエコバッグを使えば、レジ袋をもらわずにすみます。
また、飲み物を自分のボトルに入れて持ち歩くようにすれば、1年間で約300本のペットボトルのゴミを減らせるとも言われています。
日本でもレジ袋の有料化が進み、マイバッグの持参が当たり前になってきました。そこからもう一歩進んで、ぜひマイボトルも取り入れてみてはいかがでしょうか。
「エコバッグ」の商品一覧(LOHACO)
「水筒・マグボトル」の商品一覧(LOHACO)
「マイボトルスティック」の商品一覧(LOHACO)
2. ゴミの分別とリサイクルを習慣にする
サステナブルなくらしを始める上で、ゴミの分別とリサイクルは欠かせない習慣の一つです。しっかりと分別された資源は、再び原料として生まれ変わることができます。その結果、新たな資源の採掘や製造の必要が減り、ゴミの量も減らせるのです。
また、ゴミの分別は、家族で協力して行うことで、子どもにとっての環境教育にもなります。「どうして分けるの?」「これってリサイクルできるの?」といった会話の中から、自然と環境への意識が育まれていくはずです。
「ゴミ箱」の商品一覧(LOHACO)
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3. 繰り返し使える・詰め替えできるアイテムを選ぶ
使い捨てから、繰り返し使えるものや詰め替えできるものに変えていく。これだけで、毎日のくらしがぐっとサステナブルに近づきます。
最近は、環境に配慮された再利用可能な商品が、簡単に手に入るようになってきました。何気ない日用品を見直して、ゴミの量を減らしましょう。
4. 環境に配慮したアイテムを選ぶ
環境や人に配慮して作られた商品を選ぶことで、環境への負担を減らしたり、生産者のくらしを支えたりと、よりよい社会づくりに貢献できます。
商品選びの際には、パッケージに記載された「環境ラベル(認証マーク)」も参考になります。例えば、環境保全に配慮して作られた商品につけられる「エコマーク」や、森林を守りながら生産された木材や紙製品につけられる「FSC認証」などがあります。
5. ナチュラルクリーニングを実践する
掃除の方法を見直すことも、サステナブルなくらしの一歩です。重曹やクエン酸、酢などの天然素材を使った「ナチュラルクリーニング」は、環境にも健康にもやさしい掃除方法です。
自然由来の素材は分解されやすく、排水による環境への影響も抑えられます。また、強い香料や成分がないため、室内の空気もすっきりと保つことができます。
また、洗剤なしでも汚れを落とせるスポンジを使う、繰り返し洗って使えるペーパータオルを活用する、古くなったタオルやTシャツを雑巾やふきんとして再利用するなどの工夫で資源を有効に使えば、ゴミの量を減らすことにもつながります。
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6. 壊れたものを直して使う
ものが壊れてしまったからといって、すぐに捨ててしまうのはもったいないことです。自分で修理したり工夫して再利用したりすることで、廃棄物を減らして資源をムダなく活かしましょう。
例えば、衣類のほつれを直したり、ボタンを付け替えたり、色あせた家具にワックスや塗料を塗り直したりする程度なら、そう難しくありません。また、自転車のパンク修理やブレーキの調整などのメンテナンスもツールがあれば可能です。
もう一歩踏み出してみよう!サステナブルなくらしの工夫<中級編>
前述したような基本的なアクションに慣れてきたら、次はもう少し踏み込んだアクションにも挑戦してみましょう。
7. コンポストを取り入れて、生ゴミを資源に変える
コンポスト(生ゴミを堆肥に変える仕組み)を使うことで、毎日の料理で出る生ゴミを堆肥として再利用できるようになります。これによって、ゴミの量をぐっと減らせるだけでなく、堆肥を土に混ぜれば植物を育てることもできるため、資源の循環も実感できます。
家庭から出る生ゴミは、全体のゴミの約30〜40%を占めるとも言われているため、その分を堆肥に変えられれば、家庭ゴミの削減効果はかなり大きいと言えるでしょう。
8. 再生可能エネルギーを利用する
太陽光発電や風力発電など、クリーンなエネルギー源を取り入れることで、化石燃料への依存を減らし、温室効果ガスの排出削減に貢献できます。
地球温暖化の原因の一つとされる温室効果ガスは、主に化石燃料の使用によって発生します。この負荷を減らす方法として注目されているのが、再生可能エネルギーの活用です。太陽光や風といった自然の力をエネルギー源とすることで、CO₂(二酸化炭素)の排出を抑えながら、持続可能なエネルギー利用が可能になるのです。
家庭では、ソーラーパネルで自家発電をしたり、再生可能エネルギー由来の電力プランに切り替えたり、といった方法で取り入れられます。また、家電の省エネ化や断熱性能の見直しも有効です。
▼参考
環境省「デコ活」
サステナブルなくらしは、小さな一歩から
サステナブルなくらしを実践するコツは、「全てを一度で完璧に変えよう」と気負わないことです。
大切なのは、今の自分のライフスタイルや価値観に合った方法を見つけて、できることから少しずつ取り入れていくこと。無理なく楽しみながら続けることが、何よりのポイントです。身近な人と一緒に、小さな変化や達成感を味わってみましょう。
まずは気になったことから、自身のペースで取り入れてみてくださいね。