くらしのサステナブルなアクションクイズ!地球にやさしいのはどっち?

「エアコンはこまめに切るのか、それともほど良い温度でつけっぱなしにするのか?」「読み終わった本は古紙回収に出すのか、それとも中古で売るのか?」

日常生活の中で、こんなふうにふと迷ってしまうことはありませんか?

なんとなく、「こっちの方が良さそう」と思って選んではいるけれど、実際はどちらが環境に優しいのかはよく分からない。そう思いながら過ごしている方も多いと思います。

そこで今回は、日々の何気ないシーンでどちらがサステナブルな選択か考える二択クイズを全10問用意しました。ゲーム感覚でチャレンジしながら、今日からできるサステナブルなアクションのヒントを見つけてみませんか?

問題は全10問!考えてみよう

サステナブルなアクションクイズ地球にやさしいのはどっち?

それでは、日常生活の中でのサステナブルな選択について、10問のクイズでチェックしてみましょう。それぞれの問題について、どちらがより環境にやさしいかを考えてみてください。

Q1:冷房の温度設定は、どっちがサステナブル?

①25℃で短時間使用する
②28℃で長時間使用する

Q2:洗濯するなら、どっちがサステナブル?

①お湯で洗う
②水で洗う

Q3:家電を買い替えるなら、どっちがサステナブル?

①購入から5年しか経過しておらず、まだ動くけれど、旧型を廃棄して最新機種にする
②壊れるか、10年経つまでは今の機種を使い続ける

Q4:通勤手段は、どっちがサステナブル?

①自家用車で移動する
②電車やバスなどの公共交通機関を利用する

Q5:通販で商品を受け取る時、どっちがサステナブル?

①1商品ずつ注文して、都度受け取る
②必要な商品を一括注文して、まとめて受け取る

Q6:スマホを充電する時、どっちがサステナブル?

①コンセントに差しっぱなしで充電し続ける
②満充電のタイミングでこまめに電源を抜く

Q7:スマホの使い方は、どっちがサステナブル?

①明るさの自動調整をオフにして、常に高輝度で使用する
②明るさの自動調整をオンにして、状況に応じて明るさを変えて使用する

Q8:電気ケトルの使い方は、どっちがサステナブル?

①必要な量だけ水を沸かす
②水を満タンにしてから使う

Q9:野菜を買うなら、どっちがサステナブル?

①袋入りで売られたカット野菜
②カットせずに売られたそのままの野菜

Q10:読まなくなった本を処分するなら、どっちがサステナブル?

①古紙回収に出す
②中古書店やフリマアプリで売る

正解と解説を見てみよう!

サステナブルなアクションクイズの正解と解説

お疲れ様でした! それでは、各問題の正解と詳しい解説をチェックしていきましょう。いくつ正解できたでしょうか?

Q1:冷房の温度設定は、どっちがサステナブル?
①25℃で短時間使用する
②28℃で長時間使用する

Q1の答え
A:②28℃で長時間使用する

エアコンは、電源を入れてから室温を設定温度にするまでの間に、最も多くの電力を消費します。そのため、頻繁に電源をオン・オフするよりも、少し高めの温度設定で安定して長時間稼働させる方が、トータルの消費電力を抑えられます。

また、環境省は夏の室温の目安として「28℃」を推奨。これは、地球温暖化対策の一環である「クールビズ」で示されたもので、無理のない範囲での省エネを促すための温度です。体感温度は湿度や風速によっても変わるため、扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させると、設定温度が28℃でも快適に過ごしやすくなりますよ。

※建物の断熱性能が低くて熱がこもりやすい場合や、冷房を長時間使わなくても快適に過ごせる環境であれば、短時間だけ低めの温度で冷やす①の方が消費電力が少なくなることもあります。

Q2:洗濯するなら、どっちがサステナブル?
①お湯で洗う
②水で洗う

Q2の答え
A:②水で洗う

洗濯で最もエネルギーを使うのは、水を温める工程です。洗濯に最適な水温は「25〜40度程度」と言われていますが、現在の洗剤は技術開発が進み、冷水でも十分に高い洗浄力を発揮できます。

環境負荷とエネルギー消費を抑えるなら、水で洗うことを基本にするだけで、大きな省エネ効果が期待できるでしょう。

※ただし、冬場などで水温が10℃前後になると洗浄力が大きく低下し、汚れ落ちは悪くなります。再洗いや追加洗剤が必要になり、かえってエネルギーや水を多く使ってしまう場合も。洗濯物の種類や季節・水温によっては、お湯の方が結果的にサステナブルになることもあり得ます。

Q3:家電を買い替えるなら、どっちがサステナブル?
①購入から5年しか経過しておらず、まだ動くけれど、旧型を廃棄して最新機種にする
②壊れるか、10年経つまでは今の機種を使い続ける

Q3の答え
A:②壊れるか、10年経つまでは今の機種を使い続ける

原則としては、②の方がよりサステナブルな選択です。製品の環境負荷は、使用段階だけでなく、資源の採掘から部品の製造、組み立て、輸送といった製造段階で非常に大きな負荷がかかっています。

つまり、まだ使える製品を廃棄して新しいものを買うことは、この製造段階の環境負荷を新たに生み出すことになります。そのため、一つのものを手入れしたり修理したりしながら、大切に長く使う「リユース」の考え方が基本です。

※ただし、冷蔵庫やエアコンなど、年間を通してほぼ稼働し続ける一部の家電については、10年以上前の古い機種と最新の省エネ機種とでは、年間の消費電力量に大きな差があります。この場合、新しい省エネ製品に買い替えた方が、製品のライフサイクル全体での環境負荷が低くなる可能性もあります。

Q4:通勤手段は、どっちがサステナブル?
①自家用車で移動する
②電車やバスなどの公共交通機関を利用する

Q4の答え
A:②電車やバスなどの公共交通機関を利用

国土交通省のデータによると、人を1km運ぶ際に排出される二酸化炭素(CO2)の量は、自家用車が最も多く、次いで航空、バス、鉄道の順に少なくなります。

<輸送手段:CO2排出量(旅客1人を1km運ぶ時に排出するCO2)>

  • 自家用乗用車:127g
  • 航空:94g
  • バス:63g
  • 鉄道:17g
  • ※出典:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」

    自家用車は1人で移動することが多いため、1人あたりの排出量が非常に大きくなります。ですが、電車やバスは一度に多くの人を運べるため、1人あたりの環境負荷を大幅に下げることができるのです。通勤や移動の際には、なるべく公共交通機関を選ぶことが、都市の渋滞緩和や大気汚染の抑制にもつながる、サステナブルなアクションです。

    Q5:通販で商品を受け取る時、どっちがサステナブル?
    ①1商品ずつ注文して、都度受け取る
    ②必要な商品を一括注文して、まとめて受け取る

    Q5の答え
    A:②必要な商品を一括注文して、まとめて受け取る

    便利なネット通販ですが、利用の仕方一つで環境への影響が変わります。商品を個別に注文すると、その都度梱包資材が使われ、配送トラックが走ることになります。

    一方、必要なものをリストアップしておき、できるだけまとめて注文することで、段ボールなどの梱包資材を減らし、配送の回数も削減することができます。これは、配送ドライバーの負担を軽減し、配送時に排出されるCO2を減らすことにもつながります。

    さらに、近年問題になっている「再配達」を減らすためにも、在宅している時間を指定したり、置き配やコンビニ・宅配ロッカーでの受け取りを活用したりする工夫も大切です。

    ※輸送の環境負荷は「トンキロ法(輸送重量×輸送距離)」で算出されるため、必ずしも「まとめて注文=サステナブル」とは限らないケースも。配送ルートの最適化や積載効率によっては、個別配送でも環境負荷が低いこともあり得ます。ただ、消費者としてできる工夫の一つとして、まとめ買いは有効です。

    Q6:スマホを充電する時、どっちがサステナブル?
    ①コンセントに差しっぱなしで充電し続ける
    ②満充電のタイミングでこまめに電源を抜く

    Q6の答え
    A:②満充電のタイミングでこまめに電源を抜く

    スマートフォンを100%充電した後もコンセントに差しっぱなしにしておくと、「過充電」の状態になります。近年のスマートフォンや充電器には、過充電を防止する機能が備わっていますが、それでも微量の待機電力を消費し続けます。

    さらに重要なのは、リチウムイオンバッテリーの寿命です。バッテリーは100%の状態が続くと負荷がかかり、劣化が早まる性質があります。バッテリーの劣化は、スマホ本体の寿命を縮める大きな原因の一つ。充電が完了したら、こまめにプラグを抜く習慣は、スマホを長く大切に使うことにもつながるのです。

    Q7:スマホの使い方は、どっちがサステナブル?
    ①明るさの自動調整をオフにして、常に高輝度で使用する
    ②明るさの自動調整をオンにして、状況に応じて明るさを変えて使用する

    Q7の答え
    A:②明るさの自動調整をオンにして、状況に応じて明るさを変えて使用する

    スマートフォンの中でも、「ディスプレイ」は電力を大きく消費する部分です。画面を常に最大の明るさで表示すると、バッテリーの消耗が激しくなり、充電の頻度も増えてしまいます。

    「明るさの自動調整」機能をオンにしておけば、周囲の明るさをセンサーが感知し、画面の輝度を常に見やすいレベルに自動で最適化。不要な電力消費を効果的に抑えることができます。結果として充電回数が減り、Q6で解説したバッテリーの長寿命化にも貢献します。目にやさしいだけでなく、地球にもやさしい設定なのです。

    Q8:電気ケトルの使い方は、どっちがサステナブル?
    ①必要な量だけ水を沸かす
    ②水を満タンにしてから使う

    Q8の答え
    A:①必要な量だけ水を沸かす

    電気ケトルや電気ポットでお湯を沸かす際に消費するエネルギーは、基本的に「水の量」に比例します。コーヒー1杯分のお湯が欲しいだけなのに、ケトルやポットを満タンにして沸かしてしまうと、使わない分のお湯を沸かすために余計な電気をムダ遣いしていることに。

    使う分だけ沸かすことを習慣にするだけで、日々の電気代を少しずつ節約しながら、環境負荷も減らすことができます。

    Q9:野菜を買うなら、どっちがサステナブル?
    ①袋入りで売られたカット野菜
    ②カットせずに売られたそのままの野菜

    Q9の答え
    A:②カットせずに売られたそのままの野菜

    忙しい時に便利なカット野菜ですが、サステナビリティの観点から見ると、いくつかの課題があります。カット野菜は、工場で洗浄・カット・殺菌され、プラスチックの袋やトレーに包装されるという工程を経ています。この一連のプロセスで水やエネルギー、そして包装資材が、そのままの野菜よりも多く使われているのです。

    また、皮や芯など、食べられる部分まで廃棄されてしまうことや、日持ちが短いことから、フードロスにつながる傾向があります。一方で、そのままの野菜を自分で皮をむいて調理すれば、その皮をきんぴらにしたり出汁をとったりと、食材を丸ごと活かすこともできます。ゴミを減らして食材をムダなく使うためにも、できるだけ加工されていない「そのままの野菜」を選ぶことが、一般的にはサステナブルです。

    ※ただし、企業によっては、カット野菜の製造工程で出る皮や芯などを飼料や肥料として再利用するなど、環境負荷を抑える取り組みを行っているケースも。企業の取り組みによっては、どちらがよりサステナブルかは変わってくることもあります。

    Q10:読まなくなった本を処分するなら、どっちがサステナブル?
    ①古紙回収に出す
    ②中古書店やフリマアプリで売る

    Q10の答え
    A:②中古書店やフリマアプリで売る

    環境活動の基本に「3R」という考え方があります。これは、環境負荷を減らすための行動の優先順位を示したものです。

    1. Reduce(リデュース):ゴミを減らす
    2. Reuse(リユース):繰り返し使う
    3. Recycle(リサイクル):資源として再利用する

    この優先順位で考えると、本を製品としてそのままの形で誰かに譲って再び読んでもらう
    「リユース」は、一度溶かして紙の原料に戻す「リサイクル」よりも、環境負荷が低いアクションとされています。

    リサイクルは資源を再利用する素晴らしい行動ですが、その過程でエネルギーや水が必要になるため、リユースがより優先されるのです。

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    3Rとは?リデュース・リユース・リサイクルの意味と今日からできること

    どっちが地球にやさしいか、立ち止まって考えてみよう

    サステナブルなアクションクイズ、いかがでしたか? 「意外と知っていた!」という問題も、「なるほど、そうだったのか!」という新しい発見もあったかもしれません。

    今回ご紹介した10の選択は、日常にあるシーンのほんの一例です。大切なのは、一つひとつの行動を完璧にこなすことではなく、「こっちの方が地球にやさしいかな?」と、ほんの少し立ち止まって考えてみること。

    そして、多くのサステナブルなアクションは、節電や節約につながり、実はお財布にもやさしいというメリットがあります。難しく考えずに、まずは「これならできそう!」と思ったものを一つ、今日のくらしにぜひ取り入れてみてください。

    その小さな選択の積み重ねが生活を豊かにして、持続可能な未来をつくる一歩になるはずです。

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