プラスチックフリーとは?メリット・デメリットや実践方法、商品例を紹介

私たちの生活のあらゆる場面に浸透しているプラスチックは、利便性が高い一方で、環境に大きな負担を与えています。その負担を少しでも減らすために、暮らしの中でプラスチックの使用を軽減していく考え方が「プラスチックフリー」です。

本記事では、プラスチックがもたらす環境への影響やプラスチックフリーのメリットとデメリット、そして今日から始められる手軽な実践方法について詳しく解説します。サステナブルな暮らしに取り組みたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

プラスチックフリーとは?

プラスチックフリー

「プラスチックフリー」とは、生活の中でプラスチックの使用をなくしたり、減らしたりするライフスタイルを指します。「脱プラスチック(脱プラ)」や「プラなし」「ノープラスチック」とも呼ばれています。

世界では、「Plastic Free Foundation」というオーストラリアの団体が「プラスチックフリージュライ」と呼ばれる強化月間を毎年7月に実施しているなど、国際的にも注目されているライフスタイルです。

とはいえ、プラスチックは衣類や化粧品などにも含まれており、生活の隅々にまで浸透しているため、生活から一掃するのは現実的ではありません。また、医療や輸送、食品衛生、家電製品、車など、社会の発展にも大きく貢献してきた側面もあります。

プラスチックによって実現する利便性や安全性もあるため、どのように取捨選択して上手に付き合いながら共存していくかを考えることが大切です。

プラスチック汚染とは?

プラスチックフリー

プラスチックフリーが注目される背景には、「プラスチック汚染」と呼ばれる深刻な環境問題があります。プラスチック汚染とは、適切に処理されなかったプラスチックが自然環境に流出し、野生生物や土壌、水質、さらには私たち人間の健康にまで悪影響を及ぼすことを指します。

特に問題視されているのが、「マイクロプラスチック」です。これは、微細なプラスチックごみのことで、主にペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品が、自然環境の中で細かく砕けて発生しています。

マイクロプラスチックは汚染物質を吸着しやすいため、海洋や土壌、大気を汚染する可能性が指摘されています。また、自然環境や食べ物を通じて海洋生物や動物、人間が体内にマイクロプラスチックを取り込んでしまう問題も深刻です。

このように自然環境に流出し、悪影響をもたらすプラスチック汚染の原因には、プラスチックごみの不適切な処理やプラスチックの過剰利用があります。

だからこそ、プラスチックの使用量を減らす「プラスチックフリー」の実践が、プラスチック汚染の拡大を防ぐ有効な対策として、注目されているのです。

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プラスチックフリーのメリット・デメリット

プラスチックフリー

プラスチックフリーな生活を送ることで、私たちにはどのような影響があるのでしょうか?ここでは、プラスチックフリーのメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

プラスチックフリーのメリット

プラスチックフリーの主なメリットは、以下の3点です。

  • 環境に配慮した生活を送れる
  • ゴミ捨てや分別の負担が軽くなる
  • 出費を抑えられる

最大のメリットは、環境に配慮した生活を実現できることです。日々の暮らしでプラスチックごみを減らす選択を積み重ねることで、環境保護に貢献しているという前向きな気持ちを得られます。

また、家庭から出るごみの総量が減ることで、ごみ捨てや分別作業の負担が軽くなります。プラスチックごみを減らすために繰り返し使えるアイテムを使用することで、日用品にかかる費用を抑えられる点もメリットです。

プラスチックフリーのデメリット

プラスチックフリーの暮らしには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。主に以下の3つです。

  • プラスチック製品の代替品が入手しづらい
  • プラスチック製品の代替品は利便性が下がることがある
  • 完全にプラスチックの使用をなくすのは難しい

まず、プラスチック製品の代わりとなる製品は流通量が少なく、手に入れるのが難しいという課題があります。そのため、プラスチックフリーの生活を継続するハードルが高くなってしまうのです。

また、軽さや丈夫さなどのさまざまな利点があるプラスチックを別素材に代替すると、利便性が下がることがストレスになるかもしれません。そのことから、プラスチックを日常生活から完全に排除しようとすると、プラスチックフリー生活へのモチベーションが下がってしまう可能性があります。

プラスチックフリーを手軽に実践するには?

プラスチックフリー

プラスチックフリー生活は、完璧を目指してしまうと続けにくいため、まずはできることから気軽に始めるのがおすすめです。ここでは、簡単に取り入れられる実践方法をご紹介します。

プラスチック以外の素材の商品を使う

日常で使うアイテムで、プラスチックの代わりにサステナブルな素材を使用している商品を探してみましょう。

例えば、竹や木などの天然素材を使用した商品が身近な選択肢にあります。竹製の歯ブラシや木製のカトラリーなどは手軽に取り入れやすいアイテムです。

また、ミツロウラップなど、サステナブルな素材でできているだけでなく、洗って繰り返し使うことでプラスチックごみを減らせるアイテムもおすすめです。

「このアイテムにもプラスチックの代替品はあるのかな?」と楽しみながら探すことが、プラスチックフリー生活を長く続ける秘訣になります。

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マイアイテムを持ち歩く

マイバッグやマイボトル、マイストロー、マイカトラリーなどを持ち歩くこともプラスチックフリー生活の一環です。マイアイテムを持ち歩き、できるだけ出先での使い捨てプラスチックの受け取りを断るようにしましょう。

プラスチック容器ではない商品を使う

プラスチックフリー生活で削減しやすいのが、プラスチック容器です。飲料や調味料、洗剤などを購入する際には、大容量パックを選ぶことで、容器をこまめに購入・廃棄する回数を減らせます。

また、詰め替え用のパックではなく、量り売りで充填できる商品を活用するのもおすすめです。最近では、シャンプーや洗剤を持参したボトルに入れてもらえる商品も登場しています。

さらに、固形のシャンプーや固形の歯磨き粉のように、そもそもプラスチック容器を使用していない商品を選ぶのも効果的です。容器そのものを減らす工夫を積極的に取り入れることで、手軽にプラスチックフリーを実践できます。

マイクロプラスチックの流出を防ぐアイテムを使う

マイクロプラスチックの流出を抑えるアイテムの使用は、プラスチック汚染の防止に直結する実践方法です。マイクロプラスチックは、食器洗い用のスポンジなどの日用品や衣類から流出するパターンがあります。

プラスチックフリーのセルロース製のスポンジや専用の洗濯ネットを使用することで、生活排水からのマイクロプラスチックの流出を防げます。身の回りのどのようなアイテムからマイクロプラスチックが発生していて、どのようなアイテムで流出を防げるか、一度考えてみるとよいでしょう。

それでもプラスチックのアイテムを使いたい場合は、不適切なごみの捨て方をしないように心がけるだけでも有効です。マイクロプラスチックは、放棄されたプラスチックごみが河川から海に流れ出て砕けていくことで発生するため、正しく捨てたり分別したりすれば、流出を防ぐことができます。

プラスチックフリーに関するQ&A

プラスチックフリーに関して、本記事で紹介した内容をQ&A形式でおさらいします。

Q.プラスチックフリーとは何ですか?
A.プラスチックの使用をなくしたり、減らしたりするライフスタイルのこと。「脱プラスチック(脱プラ)」や「プラなし」「ノープラスチック」とも呼ばれます。

Q.なぜプラスチックフリーが注目されているのですか?
A.環境汚染や生態系の破壊をもたらす「プラスチック汚染」を防ぐ上で、プラスチックの使用量を減らすことが重要だからです。

Q.プラスチックフリーを実践できる商品はありますか?
A.竹や木材などの天然素材をはじめとするサステナブル素材を使用した商品や、マイバッグなどの繰り返し使える商品、マイクロプラスチックの流出を防ぐ洗濯ネットなどの商品でプラスチックフリーが実践できます。

プラスチックフリーに挑戦してみよう

私たちの暮らしを支えてくれるプラスチックは、単純に「悪いもの」ではありませんが、過剰な利用によって環境汚染や生態系への影響が深刻化しているのも事実です。だからこそ、これからはプラスチックとの付き合い方を見直すことが大切になります。

最初から完璧を目指すと長続きしにくいため、できることから少しずつ取り入れるのがおすすめです。無理のないペースで工夫を積み重ねながら、プラスチックフリーに挑戦してみましょう。

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