11月20日の世界子どもの日とは?子どもの権利と私たちにできること

日本では「こどもの日」というと5月5日が有名ですが、国際的な子どものための記念日である「世界子どもの日」をご存知ですか?

今回は世界子どもの日の概要や、深く関連するテーマである「子どもの権利」について解説します。私たちが起こせるアクションもご紹介するので、この記念日をきっかけに、世界の子どもたちの権利について考えてみませんか。

世界子どもの日とは?

世界子どもの日

世界子どもの日とは、1954年に国連によって定められた記念日です。「世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上」を目的としています。

世界子どもの日に制定された11月20日には、後の1989年に「子どもの権利条約」が採択されました。この条約は、子どもを保護の対象とするだけでなく、一人の人間として権利を保障するためのものです。

そんな子どもの権利にゆかりのある11月20日には、子どもの権利を広く理解してもらい、福祉をより良くすることを目的としたイベントが毎年実施されています。イベントでは、子どもたち自身が主体的に学び、声を上げていくことが大切にされています。

子どもの権利とは?

世界子どもの日

子どもの権利とは、全ての子どもが生まれながらに持つ基本的人権です。

日本にいると実感しにくいですが、世界中の子どもたちが戦争や自然災害、病気、栄養不良に加えて、暴力や搾取の犠牲になっている問題があります。そのため、子どもが持つ権利を保障する枠組みが重要視されているのです。

子どもへの行動に関する国際的な原則・基準として、1989年に採択されたのが子どもの権利条約です。守られる存在としての権利を定めつつ、子どもが一人の人間として持つ権利を認めています。

子どもの権利条約の4つの原則

子どもの権利条約の基本的な考え方は、次の「4つの原則」によって表されます。

1.差別の禁止
「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位」など、どのような理由でも差別されずに権利が保障されることを示しています。

2.子どもの最善の利益
子どもに関する活動において、その子どもにとって最もよいことを第一に考えるという考え方です。そのために、大人や社会は子どもの意見を尊重し、必要な支援を選択する責任があります。

3.生命、生存および発達に対する権利
命を守る権利のことで、医療・教育・生活面での支援によって、暴力や病気などから保護されることを示しています。これは、すべての子どもが安全で健やかに成長できる環境を保障するという基本的な原則です。

4.子どもの意見の尊重
子どもが自分に関する事柄について自由に意見を言うことができ、考慮・尊重してもらえる権利を示しています。それによって、子どもは自分の生活や将来にかかわる決定に主体的に参加することができます。

このように、世界では厳しい状況におかれる子どもたちに関わる、さまざまな権利の保護を目指しているのです。

※参考:ユニセフ「子どもの権利条約の考え方」

世界子どもの日の日本での取り組み

世界子どもの日

日本では、ユニセフ協会や自治体、学校が中心となり、11月20日の世界子どもの日に合わせて子どもの権利や福祉を考えるイベントや啓発活動を実施。チャリティーや講演、ワークショップなどを通じて、子どもたちや社会の関心を高める取り組みが広がっています。

例えば、以下のようなイベントが開催されます。

世界子どもの日チャリティーウォーク

世界子どもの日チャリティーウォークは、自然あふれる公園や大使館、国際機関の周辺を歩くチャリティーウォークツアーです。参加費は、世界中の人権問題の解決に向けて使用されており、今年は11月22日(土)に聖心女子大学にて開催される予定です。

※参考:認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ「世界子どもの日 チャリティーウォーク2025」

世界子どもの日 ユースフェスティバル

世界子どもの日ユースフェスティバルは、運営委員会が中心となり、大学と連携して開催される参加型イベントです。人権や環境、貧困などのさまざまなテーマに取り組む学生団体による、ブースの出展やステージでのセッションが行われます。2025年は12月6日(土)に早稲田大学で開催される予定です。

※参考:ユースフェスティバル運営委員会「第8回世界子どもの日ユースフェスティバル2025」

世界の子どもたちのためにできることは?

世界子どもの日

日本では、世界の子どもたちが直面している貧困や紛争、暴力などの深刻な状況を実感する機会は少ないかもしれません。まずは、世界の現実を知るところから始めてみましょう。それも含めて具体的なアクションを4つ紹介するので、ぜひ実践してみてください。

子どもの権利について学ぶ

まずは、世界の子どもたちの現状や子どもの権利について学ぶところから始めてみましょう。書籍や映画、ドキュメンタリーなどを通して、子どもたちが直面する問題や権利を守るための取り組みを知ることで、問題を身近に感じることができます。

募金をする

世界子どもの日の前後には、国際機関やNPOによる子ども支援の募金キャンペーンが行われます。時期に関係なく参加できる定期寄付のプランもあり、少額からでも継続的に支援できるため、世界子どもの日をきっかけに、子どもたちの未来を支える一歩として検討してみてはいかがでしょうか。

イベントに参加する

世界子どもの日の前後には、子どもの権利や福祉への理解を深めるためのイベントが各地で開催されます。チャリティー、展示、ワークショップ、トークイベントなど、その形はさまざまです。まずは、気軽に楽しみながら参加できそうなイベントをぜひ見つけてみてください。

子どもと一緒に子どもの権利について話す

世界子どもの日は、家庭や学校で子どもと「子どもの権利」について話し合う良い機会です。「子どもの権利ってどういうもの?」「意見を言うってどういうこと?」などの対話を行い、子どもが自分の権利を理解し、安心して成長できる環境の大切さを共有してみましょう。

世界子どもの日に関するQ&Aまとめ

Q.世界子どもの日はいつですか?
A.11月20日です。世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、1954年に国連によって定められました。後の1989年には、「子どもの権利条約」が採択された日でもあります。

Q.子どもの権利とはなんですか?
A.全ての子どもが生まれながらに持つ基本的人権です。子どもの権利条約では、「生命、生存および発達に対する権利」「子どもの最善の利益」「子どもの意見の尊重」「差別の禁止」という4つの考え方のもと、一人の人間としてのあらゆる権利の保障が目指されています。

Q.世界子どもの日にはどのように参加すればよいですか?
A.世界子どもの日にできる行動には、子どもの権利についての学習や、募金やイベントへの参加などがあります。また、家庭や学校などで子どもの権利について子どもと一緒に話す時間を設けることも大切です。

世界子どもの日は、子どもの権利について考えてみよう

世界では今も、多くの子どもたちが困難な状況に置かれています。まずはその現実を知り、小さなことからでも行動を起こすことが、子どもたちの未来を守る大きな一歩につながります。

11月20日の世界子どもの日をきっかけに、身近なところから「子どもの権利」を大切にする社会を一緒に育てていきましょう。

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