環境問題の具体例と世界の動き。個人でできるアクションは?

近年は、猛暑や豪雨といった異常気象を肌で感じることも増えて、地球環境の変化に不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。環境問題は遠い場所で起きている出来事ではなく、日々のくらしと密接につながっています。

本記事では、地球規模で起きている環境問題について、具体例を挙げながら解説するとともに、個人でできることについても紹介します。

地球では、今どんな環境問題が起きているの?

環境問題の例

環境問題と言っても、起きていることやその原因はさまざまです。世界で深刻化している主な環境問題について、その特徴や影響を具体例とともに見ていきましょう。

気候変動

日々の生活に直接的な影響を与えているのが、気候変動です。特に地球温暖化による平均気温の上昇は深刻で、世界各地で記録的な猛暑や干ばつ、大規模な森林火災などを引き起こしています。

日本でも、以前では見られなかった集中豪雨や台風の大型化が頻発しており、防災の観点からも重要な課題です。

気候変動は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出量が増えたことが主な原因とされています。産業革命以降、人間は石炭や石油を大量に利用して生活を豊かにしてきましたが、その代償として地球の気温バランスが崩れているのです。

特にアフリカや南アジア、中南米など、経済発展の途上にあり、気候変動への適応や防災インフラが十分に整っていない地域が、甚大な被害を受ける傾向にあります。

<具体例>

  • 日本の九州地方では、線状降水帯の発生増加によって、2020年代に入ってから毎年のように記録的豪雨と土砂災害が発生。
  • インドのデリー周辺では、猛暑の常態化によって夏季の最高気温が50度近くに達し、健康被害や電力不足が深刻化。

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海洋汚染

海は地球の面積の約7割を占める生命の源ですが、その海が今、深刻な汚染にさらされています。特に問題視されているのが、プラスチックごみです。ペットボトルやレジ袋、包装容器などのプラスチック製品が適切に処理されずに海へ流れ込み、海洋生物の生態系に甚大な被害を与えています。

プラスチックは、自然界で分解されるまでに数百年という非常に長い年月がかかります。その間、波や紫外線によって砕かれて「マイクロプラスチック」と呼ばれる細かな破片となり、それを魚や鳥が餌と間違えて食べてしまうのです。食物連鎖を通じて有害物質が濃縮され、最終的には魚を食べる人間の健康にも影響を及ぼす可能性が懸念されています。

<具体例>

  • 日本の瀬戸内海では、生活排水やマイクロプラスチックによる水質悪化が課題になっている。
  • インドネシアのバリ島沿岸では、観光地周辺に大量のプラスチックごみが漂着しており、ウミガメなどの被害が報告されている。

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資源枯渇

私たちが日常的に使用している電気やガスなどの多くは、地球上の限られた化石燃料から作られています。また、紙の原料となる木材や電子機器に不可欠なレアメタルなどの鉱物資源も無尽蔵ではありません。

さらに、人間が生きていく上で欠かせない水資源も危機的状況にあります。世界的な人口増加や経済発展に伴って水の需要は急増しているにも関わらず、気候変動による干ばつや水源の汚染によって、安全な水を手に入れられない地域が増えているのです。

<具体例>

  • 日本では、化石燃料や鉱物資源の多くを輸入に依存しているため、資源価格高騰の影響を受けやすい。
  • アフリカの南アフリカ共和国では、人口増加と干ばつによって慢性的な水不足が発生。

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生物多様性の危機

地球上には多種多様な生物が存在し、互いに関わり合いながらバランスを保って生きています。ですが今、多くの動植物が絶滅の危機に瀕しています。その原因は、気候変動による生息環境の変化や開発による森林伐採、海洋汚染、そして乱獲といった人間の活動によるものです。

生物多様性が失われると、生態系のバランスが崩れ、巡り巡って人間生活にも悪影響が及びます。例えば、農作物の受粉を助けてくれる昆虫がいなくなれば、食糧危機が発生してしまうでしょう。自然と共生する社会を取り戻す「ネイチャーポジティブ」の視点が必要なのです。

<具体例>

  • 日本の沖縄県では、海水温上昇によって大規模なサンゴの白化現象が発生。
  • オーストラリアでは、森林火災の激化でコアラなどの野生動物が大量死。

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土壌汚染

野菜や穀物を育てる土壌の汚染も深刻です。工場からの排水に含まれる重金属や農業で過剰に使用される農薬、不法投棄された産業廃棄物などが原因となり、土壌が有害物質で汚染される事例が発生しています。

一度汚染された土壌を元に戻すには、長い時間と莫大な費用が必要です。汚染された土から育った農作物には有害物質が蓄積されるリスクがあり、食の安全性を揺るがします。

<具体例>

  • 日本の神奈川県では、工業地帯での過去の化学物質使用による土壌汚染が現在も問題化。
  • 中国の河南省では、重金属汚染によって農作物の安全性が懸念されている。

森林破壊

世界各地で森林が急速に失われています。木材利用のための過度な伐採だけでなく、農地拡大、放牧地の確保なども原因です。

森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を供給する重要な役割を担っています。森林破壊は生物多様性の喪失だけでなく、地球温暖化を加速させる要因にもなっており、森林の保全と再生は急務といえるでしょう。

<具体例>

  • アフリカのコンゴ盆地では、違法伐採によって世界第2位の熱帯林が縮小。
  • 日本の北海道では、開発や人工林管理不足によって森林生態系が劣化。北海道を含め、全国的にもエサを求めてクマが人里に出没するケースが増加している。

環境問題に取り組む世界の動き

環境問題の例

こうした危機的な状況に対して、国境を越えた協力体制による動きが活発化しています。

SDGsの達成目標に向けた取り組み

2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、環境問題解決に向けた世界の共通方針です。17の目標のうち、「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」など、環境に関連する項目が重点課題として位置づけられています。

日本を含め、加盟国はこれらの目標達成に向けて、法整備や政策の実行を進めているところです。

地球温暖化対策

地球温暖化対策については、「パリ協定」という国際的な枠組みが中心となっています。これは、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をするという目標を掲げたものです。これに基づいて、各国は温室効果ガスの排出削減目標を提出し、実行に移しています。

具体的には、化石燃料に依存しない再生可能エネルギーの導入・拡大や電気自動車への切り替え、工場の省エネ化、太陽光パネルの設置などがあります。世界的に、脱炭素社会の実現に向けた積極的な行動が加速しているのです。

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環境問題を解決するために。個人ができる身近なアクション

環境問題の例

環境問題は規模が大きく、自分には関係ないと感じてしまうかもしれません。ですが、環境問題の解決には、個人一人ひとりの消費活動や生活習慣の積み重ねが大切です。今日からできる身近なアクションをご紹介します。

水を大切にする

蛇口をひねれば水が出る日本では、水の大切さを忘れがちです。ですが、水を家庭まで届けて、使った水をきれいにしてからまた川に戻すためには、多くのエネルギーが消費されています。

歯磨きや洗顔の際に水を出しっぱなしにしない、お風呂の残り湯を洗濯に使う、節水型のシャワーヘッドに変えるなど、日常生活での小さな節水を意識してみましょう。

水資源は、海から空、山へと循環して利用されています。植林や緑化を通じて、水資源が循環しやすい環境を作っていく、またそうした活動を支援していくことも水を大切にする取り組みの一つです。

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省エネルギーを意識する

家庭で消費するエネルギーを減らすことは、環境だけでなく経済的なメリットも得られるおすすめの取り組みです。誰もいない部屋の電気を消す、見ていないテレビは消すといった基本的なことはもちろん、照明を消費電力の少ないLEDに交換するのも効果的です。

もう一歩踏み込んだアクションとしては、「買う電気を選ぶ」という選択肢もあります。現在は電力会社を自由に選べる時代です。再生可能エネルギーを中心に発電している電力会社のプランへの切り替えを検討してみましょう。

ムダな買い物をしない

大量生産・大量消費・大量廃棄のサイクルを見直すことも大切です。買い物の際には、「本当にこれは必要か?」「長く使えるものか?」と一度立ち止まって考えてみましょう。安いからと言ってすぐに壊れるものを買うよりも、多少高くても長く愛用できるものを選ぶ方が、結果的に資源の節約になります。

また、フードロスを減らすことも意識してみてください。食べきれる量だけを買い、食材を上手に使い切れば、廃棄物を減らせるだけでなく家計の節約にもつながります。

環境問題の具体例に関するQAまとめ

Q1. 環境問題には、どのような種類がありますか?
A. 主に、地球温暖化による気候変動、プラスチックごみなどによる海洋汚染、化石燃料などの資源枯渇、動植物が減少する生物多様性の危機などが挙げられます。

Q2. 環境問題を解決するために、世界的にどのような取り組みが行われていますか?
A. 国連が定めた「SDGs」の達成に向けた取り組みや地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」に基づいた、温室効果ガスの削減が進められています。

Q3. 環境問題の解決に向けて、私たちには何ができますか?
A. 節水や節電、リサイクルやリユースによる資源循環への協力、必要以上の物を買わずにごみを減らすなど、日々の生活の中でできることは多くあります。

まずは現状を知って、できることを一つやってみよう

今の環境問題の多くは、私たちがより便利で快適な生活を求めた結果として生じたものです。だからこそ、解決の鍵も私たちが握っています。

一人ひとりの行動は小さくても、それが集まれば大きな力になります。まずは知ることから始めて、次にできることを一つやってみる、そして習慣にしていく。その積み重ねが、地球を次の世代へつなぐ力となります。

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