ごみを減らす「5R」とは? 3Rに加えて意識したい「断る・直す」習慣

私たちの暮らしのなかで、環境に配慮した行動として「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」が定着しつつあります。しかし近年は、この3Rにさらに2つの「R」を加えた「5R」という考え方も注目を集めていることをご存知でしょうか。

実は、これまでの3Rだけでは、ごみの削減や資源の保護において解決が難しい課題も浮き彫りになってきています。今回は、持続可能な社会を実現するために、私たちが一歩進んで取り組みたい「5R」について、その意味や具体的な実践方法、そして自治体の事例などを交えて詳しく解説します。

ごみを減らす5つの行動「5R」とは?

5R

5Rとは、これまでの3Rにリフューズ(Refuse)とリペア(Repair)を加えた5つの言葉の頭文字をとったものです。それぞれの意味を改めて確認していきましょう。

  • リデュース(Reduce):買い物やものの使用量を控えて、ごみの発生そのものを減らすこと。
  • リユース(Reuse):一度使ったものをすぐに捨てず、そのままの形で繰り返し再利用すること。
  • リサイクル(Recycle):分別して資源として回収し、新たな製品の原料として再生利用すること。
  • リフューズ(Refuse):レジ袋や過剰包装など、すぐにごみになる不要なものは、受け取らずに断ること。
  • リペア(Repair):壊れたものをすぐに捨てず、修理や手入れをして長く使い続けること。

これらの5つの行動を組み合わせることで、より効果的に環境負荷を減らすことができるといわれています。

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「3R」ではなく「5R」の行動が必要な理由

5R

なぜ、従来からいわれている3Rではなく、リフューズやリペアを加えた5Rとしての行動が求められているのでしょうか。その背景には、3Rのなかでも、特にリサイクルだけでは解決できない課題があります。

リサイクルには限界がある

リサイクルは、ムダになってしまう廃棄物を減らす重要な手段ですが、実は回収した資源の運搬や洗浄、再製品化のプロセスには莫大なエネルギーが必要となり、コストやCO2排出という環境負荷も伴います。

例えば、年度によって異なりますが、日本における廃プラスチックの約57%は焼却時の熱を利用する「サーマルリサイクル」という方法で処理されています。熱エネルギーとして回収しているとはいえ、プラスチックを燃やすことには変わりないため、この処理によって年間約1,600万トンものCO2が排出されていると試算されています。

リサイクルへの取り組みは大切ですが、それだけでは環境負荷を減らすことはできないのです。リサイクルの裏側には、エネルギー消費や温室効果ガスの排出という現実があることも、正しく理解しておく必要があります。

※参考:資源エネルギー庁 「カーボンニュートラルで環境にやさしいプラスチックを目指して

リフューズ・リペアに取り組む意味

そこで重要になるのが、リサイクルの前段階のアクションにさらに取り組むことです。そもそも不要なものを買わない、もらわない「リフューズ」を徹底すれば、ごみになるもの自体を減らすことができます。

また、壊れたものを捨てずに修理して利用する「リペア」を行えば、製品の寿命が延びて、廃棄のタイミングを先送りすることが可能です。

こうしたリフューズ・リペアに取り組むことで、リサイクルに回す廃棄物をさらに減らすことができます。限られた資源を有効に活用することは、結果としてCO2の排出削減にもつながり、地球環境を守ることになるのです。

「取り組む順番」も意識することが大切

5Rの実践において、もう一つ覚えておきたいのが「取り組みの順番」で、5つのRには優先順位が存在します。

なかでも最も優先すべきは、リフューズとリデュースです。この2つは「ごみの発生そのものを防ぐ」という上流の対策であり、資源の節約効果や環境負荷の削減効果が最も高いアクションです。そのため、まずはごみを出さない生活を心がけることがスタート地点となります。

次に優先されるのが、「ものの寿命を延ばす」行動である、リユースとリペアです。消費者が一つの製品を長く使うことで、新たな商品の製造にかかる資源や廃棄に伴うエネルギー消費を最小限に抑えることができます。

そして最後に、どうしても不要になったものに対して行うのが、リサイクルです。これはあくまで、ごみとして処分する前の「最後の手段」として位置づけられます。

この優先順位を意識することが、最も効率的で地球に配慮したライフスタイルといえるのです。

5Rの実践事例

5R

では、具体的にどのように5Rに取り組めばよいのでしょうか。近年では、自治体が主体となって、地域ぐるみで5Rを推進する活動も増えてきています。ここでは、いくつかの事例をご紹介します。お住まいの地域でどのような活動が行われているかも、ぜひ一度調べてみてください。

東京都町田市:粗大ごみのリペア・リユース

町田市では、家庭から粗大ごみとして出された家具などを収集した後、まだ使えそうなものを選別して職員が手入れや修理を施した上で、「リサイクル広場まちだ」という施設で安価に販売しています。

誰かにとっては不要になった家具も、きれいにリペアすることで、別の誰かの生活を支える大切な道具へと生まれ変わります。町田市では、2023年度には2,979点、重量にして約40,000キログラムもの再生品を販売しました。

※参考:町田市「粗大ごみを再生販売しています~リユースショップをご利用ください~

長野県:食べ残しを減らそう県民運動~e-プロジェクト~

長野県は、全国で最も1人あたりのごみの排出量が少ない地域として知られています。その背景には、県民参加型の強力なリデュース活動があります。特に力を入れているのが、飲食店や家庭から出る「フードロス」の削減です。

例えば、「30・10(さんまるいちまる)運動」は、職場の宴会やパーティーなどの際、乾杯後の最初の30分間とお開き前の10分間は自分の席について料理を楽しみ、食べ残しを減らそうという運動です。宴会では、話に夢中になって料理が多く残されがちですが、このルールを設けることで無理なく完食を目指すことができます。

また、小盛りメニューの導入や、食べきれなかった料理の持ち帰りへの対応など、食品ロス削減に積極的に取り組む飲食店や宿泊施設を「協力店」として登録し、広く周知する活動も行っています。

※参考:長野県 「食品ロス削減ポータルサイト

徳島県上勝町:「ちりつもポイント」サービス

徳島県上勝町は、「無駄、浪費、ごみをなくす」ことを意味するゼロ・ウェイストの考え方を行政と住民、事業者が連携しながら推進している自治体です。

町では、43種類におよぶ細かな分別によるリサイクルの徹底や、不要になったものを自由に持ち帰ったり譲り合ったりできる「くるくるショップ」を通じたリユースの推進など、多角的な取り組みが行われています。

なかでも特徴的なのが、資源化や環境配慮行動に協力した町民に付与される「ちりつもポイント」制度です。例えば、町内の店舗でレジ袋を使わずに買い物をする、容器を持参して買い物をするといった行動によって「ノー・レジ袋ポイントカード」にポイントを貯めることができ、リフューズを推進する好例といえます。

※参考:上勝町役場 企画環境課「ちりつもポイントキャンペーン

5Rに関するQAまとめ

Q1. 5Rとは何ですか?
A. 従来のごみ削減活動である3R(リデュース、リユース、リサイクル)に、リフューズ(断る)、リペア(修理して使う)を加えた5つの行動指針のことです。ごみを発生させないことや、ものを長く大切に使うことをより重視した考え方です。

Q2. 3Rではなく、5Rとしてリフューズ・リペアにも取り組んだ方がよい理由は?
A. リサイクルには輸送や加工のためのエネルギーが必要であり、CO2排出などの環境負荷がかかるためです。リフューズでごみの発生を元から減らし、リペアで製品寿命を延ばすことは、リサイクル以上に環境に配慮した行動となります。

Q3. 日々の暮らしでできる、リフューズ・リペアの具体例は?
A. リフューズの例としては、レジ袋を断る、使い捨てのスプーンやフォークをもらわないなどがあります。リペアの例としては、取れたボタンを付け直す、靴のかかとを修理に出すといった行動があります。各自治体でも独自の取り組みを進めているので、お住まいの自治体の取り組みもぜひ確認してみましょう。

小さな断る・直すから始めて、5Rを意識してみよう

5Rの本質は、「本当に必要なものを見極め、手元にあるものを大切にする」という、とてもシンプルな暮らし方です。

レジで「袋はいりません」と伝えたり、お気に入りの靴を修理してもう1年履いたりするといった小さな取り組みの積み重ねが、ごみを減らし、資源を守り、未来の環境をよくすることにつながります。

まずは今日から、無理のない範囲で暮らしの中に「5R」の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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