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ごみの増加がもたらす問題とは?

大量のごみが排出されると、環境や社会にさまざまな悪影響が及びます。例えば、以下のような問題が代表的です。
ごみが大量に発生すると、その処理にエネルギーが消費される上、ごみの運搬や焼却、埋立の過程で温室効果ガスも発生してしまいます。
また、最終処分場で埋め立てられる容量を使い切るまでの年数は、2023年度末時点で残り24.8年であり、差し迫った状況です。さらに、埋立後の有害物質の浸出などによって土壌と海が汚染される問題や、ポイ捨て・不法投棄による自然環境へのごみの流出も深刻です。
環境省によると、令和5年度のごみの総排出量約3,897万トンのうち、家庭から出るごみは約2,175万トンと、全体の半分以上を占めています。つまり、ごみの問題は私たちのくらしと切り離せない課題であり、一人ひとりのごみを減らす工夫が重要だと言えます。
※参考:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度)について」
ごみ問題とSDGsの関連性
ごみ問題と向き合うことは、SDGsの達成につながります。資源の有効活用や衛生環境の維持、環境保全、気候変動の抑制など、持続可能な社会の実現に直結する重要な取り組みなのです。
例えば、ごみやその処理の問題は、以下のような目標に関連しています。
衛生環境と人々の健康を守る
<目標3:すべての人に健康と福祉を>
不適切な廃棄物処理は、有害物質の流出や感染症の媒介となる害虫の発生を招きます。適正な処理は、すべての人々の健康リスクを下げる基本です。
<目標6:安全な水とトイレを世界中に>
投棄されたごみや埋立地からの浸出水が地下水・河川を汚染するのを防ぐことができれば、安全な飲み水を確保できます。
都市の持続可能性と循環型社会の実現
<目標11:住み続けられるまちづくりを>
人口が集中する都市部において、効率的なごみ回収・処理システムは、災害に強く清潔な住環境を維持するために不可欠です。
<目標12:つくる責任 つかう責任>
「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」の核心となる目標で、廃棄物を減らし、資源を循環させることができれば、限りある地球の資源を守れます。
地球環境と気候変動への対策
<目標13:気候変動に具体的な対策を>
ごみの焼却時に発生するCO2(二酸化炭素)や、埋立地から発生するメタンガスは温暖化の原因となります。ごみを減らすことは、直接的な脱炭素への貢献となるのです。
<目標14:海の豊かさを守ろう/目標15:陸の豊かさも守ろう>
海洋プラスチックごみ問題の解決や不法投棄による森林破壊の防止など、生態系の多様性を守るためにごみの管理は避けて通れません。
ごみ削減の基本「5R」とは?

リデュース・リユース・リサイクルの頭文字をとった「3R」は広く定着しつつありますが、近年では、さらに2つの「R」を加えた「5R」がごみを減らす基本的な考え方として注目されています。5つの「R」の意味は、以下の通りです。
特に大切なのは、そもそもごみを発生させない「リデュース」「リフューズ」です。次に、ものの寿命を延ばす「リユース」「リペア」が重視され、最終手段が「リサイクル」だと言われています。5Rは優先順位を意識して、できることから実践してみましょう。
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ごみを減らす「5R」とは? 3Rに加えて意識したい「断る・直す」習慣
ごみを減らすために個人ができることは?

ごみを減らす上では、一人ひとりの工夫が重要です。ここからは、日々のくらしの中で実践できるアクションを紹介します。
「使い捨て」を減らす
すぐにごみになってしまうものを安易に受け取ったり購入したりしない意識や、捨てないための工夫が必要です。また、本来は廃棄されるはずだった素材を活用した製品の選択などの「使い捨て」を減らす行動は、ごみの削減において大切です。具体的には、以下のようなアクションがあります。
繰り返し使えるアイテムには、マイバッグやマイボトル、マイカトラリーなどに加え、みつろうラップやシリコンバッグなどの食品保存に役立つアイテムもあります。身近な使い捨てアイテムが、繰り返し使える製品に代替できないか、探してみましょう。
フードロスを減らす
令和5年度のフードロス発生量は約464万トンで、そのうち家庭系は約233万トンです。家庭系フードロスの内訳は、食べ残しが97万トン、本来食べられる部分が捨てられている「過剰除去」が36万トン、未開封のまま捨てられている「直接廃棄」が100万トンとなっています。
フードロスを減らすことはごみの削減につながるだけでなく、将来的な食糧危機に対する適切な対応にもつながるのです。家庭でできる具体的なアクションには、以下があります。
家庭でフードロスを出さないための工夫に加えて、賞味期限の早いものから手に取る「てまえどり」などの、店舗からのフードロスを減らすための取り組みも実践できるとなお良いでしょう。
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フードロス(食品ロス)の現状と課題、私たちができることは?
※参考:環境省「我が国の食品ロスの発生量の推移」
計画的に購入する・大切に使う
ごみを増やさないためには、「長く使えるか」を重視した買い物や、今持っているものを丁寧に使い続ける意識が大切です。次のようなアクションも意識してみましょう。
家庭でリサイクル・アップサイクルを実践する
不要になった物は、家庭で再活用できないか、別の形で生まれ変わらせられないかを一度考えてみましょう。例えば、以下のようなアクションがあります。
生ごみなどを分解してたい肥にする「コンポスト」は、家庭用のコンポスト容器やたい肥を回収するサービスなどが登場しているため、家庭でも挑戦しやすくなっています。
また、不要になった衣類をバッグやポーチ、アクセサリーに生まれ変わらせたり、本来捨ててしまうはずの野菜の茎や果物の皮などをお菓子やジャムにしてみたりといったアップサイクルの実践もおすすめです。
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アップサイクルとは?リサイクルとの違いや製品例、実践できるアイデアを紹介
適切な方法でごみを捨てる
ごみを捨てなければならない場合は、捨て方を工夫することも有効です。分別や出し方を工夫すれば、正しく資源を循環させることや処理にかかる環境負荷を減らすことにつながります。具体的には、次のようなアクションがあります。
ごみを減らすためにできることに関するQ&Aまとめ
Q.ごみの量が増えると、何が問題になりますか?
A.ごみが大量に発生すると、ごみ処理による温室効果ガスの発生や最終処分場のひっ迫、土壌汚染・海洋汚染、資源の浪費など、環境や社会にとってさまざまな悪影響をもたらします。
Q.「5R」とは何ですか?
A.5Rとは、「リデュース(減らす)」「リユース(再利用)」「リサイクル(再生利用)」「リフューズ(断る)」「リペア(直す)」からなる、ごみを減らすための基本的な考え方です。
Q.ごみを減らすためにできることには何がありますか?
A.個人が実践できる方法には、使い捨てやフードロスを減らす、計画的に購入する・大切に使う、家庭でリサイクル・アップサイクルを実践する、適切な方法でごみを捨てるなどがあります。
5Rを意識して、ごみを減らす工夫をしよう
ごみを捨てるという行為は日常の一部ですが、何も意識せずに続けてしまうと、環境に大きな負荷をかけ、やがて世界は処理しきれなくなったごみで溢れてしまいます。
日本のごみの排出量の大半を占めているのは、私たちが家庭で出しているごみなので、個人がごみを減らすことによる影響力は大いにあります。小さな工夫や選択の積み重ねは、確実に持続可能な社会へと結びつくため、できることから始めていきましょう。


