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FSC®認証とは?

FSC®認証とは「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済的に継続可能な、適切な森林管理を広めるための国際的な認証制度」を指します。運営主体は、責任ある森林管理を世界に広めることを目的とする国際的な非営利団体「FSC®(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)」です。
FSC®マークは「環境や動植物を守り、森林に依存する人々や林業従事者の人権を尊重し、適切に管理された森林の樹木や適切だと認められたリサイクル資源で作られた紙・木材製品につけられるラベル」であり、森林保全につながる製品に付けられています。
※参考:FSC®ジャパン「FSC®説明文例集」
認証方法
FSC®認証には、森林管理を対象とする「FM認証」と、製造・流通過程を対象とする「CoC認証」の2種類があります。
FM認証(Forest Management)は、FSC®の理念に沿った森林管理をしているか審査した上で認証するもので、「FSC森林管理の10原則」に基づいて審査されます。
FSC森林管理の10原則
- 法律や国際的な取り決めを守っている
- 労働者の権利や安全が守られている
- 先住民族の権利を尊重している
- 地域社会の権利を守り、地域社会と良好な関係を保っている
- 森林のもたらす多様な恵みを大切に活かして使っている
- 環境を守り、悪影響を抑えている
- 森林管理を適切に計画している
- 管理計画の実施状況を定期的にチェックしている
- 保護すべき価値のある森など(HCV)を守っている(※)
- 管理活動を適切に実施している
※HCV:HCV(High Conservation Value:高い保護価値) とは、生物多様性・生態系・地域社会・文化などの観点から、特に保全上重要な価値をもつ森林や地域を指す。
10原則の下には、さらに70の基準や各国の状況に応じた指標が設けられており、全ての基準で問題がないと確認された場合に認証が与えられます。
一方でCoC認証(Chain of Custody)とは、製品が完成するまでの全工程で不適格な原材料と混ぜられていないか審査し、認証するものです。
FM認証とCoC認証は、FSC®とは別の独立した機関によって認証が行われます。両認証ともに5年間有効ですが、少なくとも年に一度の監査を受けることになっています。
※参考:FSC®ジャパン「FSC®の原則と基準」
認証マークの種類
FSC®認証を受けた製品上につけられるFSCロゴ、FSCマークには、次の3種類があります。
FSC100%

「FSC100%」は、FSC®の理念に沿った森林資源を100%使用している製品に付けられるラベルです。原材料は、全て適切に管理されたFSC認証林から調達されており、違法伐採や森林破壊のリスクが低いことが第三者機関によって確認されています。
FSCリサイクル

「FSCリサイクル」は、本来廃棄される予定だったものの、のちに収集された「回収原材料」のみを使用している製品に付けることができます。木材製品の場合は、もとの製品の最終消費者に使用されてから回収された「ポストコンシューマー回収原材料」が70%を占めている必要があります。
FSCミックス

「FSCミックス」は、FSC100%やFSCリサイクル、回収原材料など、FSC®の理念に基づいた原材料を複数使用している製品に付けられるラベルです。認証原材料と管理木材などを組み合わせながらも、FSCの厳格な基準に基づいて管理・流通されていることが確認されています。
FSC®認証が生まれた背景は?

FSC®は、森林破壊による問題を解決するために1994年に設立され、適切に管理された森林から生産された製品を購入できるFSC®認証が生まれました。そもそも、森林は環境や人にとって、次のようなさまざまな役割を担っています。
森林が破壊されると、そこで生活する動物が絶滅の危機に瀕してしまい、森林からの恵みを頼りに生活する人々の生活も脅かされてしまいます。さらに、森林が蓄えていた二酸化炭素が放出され、地球温暖化をさらに加速させることにもつながるのです。
FAO(国連食糧農業機関)が発表した「世界森林資源評価2025」によると、1990年から2025年の間で4億8,900万ヘクタールもの森林が失われています。森林が減少する速度は年々緩やかになっていますが、依然として森林を守るFSC®の重要性は高いといえます。
※参考:林野庁「世界森林資源評価2025」主な調査結果(仮訳)」
FSC®認証とSDGsの関係は?

FSC®は、SDGsの17の目標と169項目のターゲットのうち、森林の持続可能な管理を進めて森林を守ることが掲げられている、目標15「陸の豊かさも守ろう」に最も直接的に関連しています。
FSC®は他にも、14個の目標と40項目のターゲットに貢献しており、気候変動や水の安全、クリーンなエネルギーなどの環境に関するトピックから、貧困や労働環境などの社会的なトピックまで、幅広く関連している点が特徴です。
また、第三者森林認証制度を取得しているかどうかがSDGsの進捗を確認する指標として掲げられており、SDGsの達成におけるFSC®認証の有効性は認められているといえます。
消費者は、FSC®認証マークのついた商品を購入してエシカル消費を実践することで、FSC®認証が貢献するさまざまな問題の解決に間接的に貢献できるのです。
FSC®認証の商品にはどんなものがあるの?

FSC®認証の商品には、例えば以下のような物があります。
紙製品
木材製品
非木材製品
これらの製品を購入する際は、FSC®認証の物がないかどうか探してみると良いでしょう。
FSC®認証に関するQ&Aまとめ
Q.FSC®認証とは何ですか?
A.「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済的に継続可能な、適切な森林管理を広めるための国際的な認証制度」です。国際的な非営利団体「FSC®(森林管理協議会)」が運営しています。
Q.FSC®認証の商品を買うとどうなりますか?
A.FSC®認証マークのついた商品を購入することで、FSC®認証が貢献するSDGsの14個の目標と40項目のターゲットに間接的に貢献できます。
Q.FSC®認証の商品にはどのようなものがありますか?
A.コピー用紙やティッシュペーパー、書籍などの紙製品や、家具、木工品などの木材製品、蜂蜜、キノコ、竹製品などの非木材製品があります。
FSC®認証マークを目印に商品を選んでみよう
森林破壊が進むなか、森とそこに暮らす人々や動物を大切にするための制度であるFSC®認証は、重要な役割を果たしています。
いつも使う日用品を選ぶ際に、FSC®マークがある物を選択するだけで、持続可能な環境や社会作りに貢献できます。今日から、FSC®マークをぜひ意識してみてください。


