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環境や動物にやさしい革の代替品とは?

合成素材や植物由来の原料を用いて作られる革の代替品(※)はフェイク素材の一種であり、見た目や質感は本革に近い物も多く存在します。
近年、毛皮産業における動物の過酷な扱いが問題視されています。そのため、動物の皮を使用しない代替品は、動物の権利を守りながらレザーと近い材質の素材を確保できる手段として、倫理的な観点からも支持を集めているのです。
※2024年3月からは、日本産業規格JISにて「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来の物に限定すると規定されています。
革の代替品が注目される理由
動物性素材には、動物福祉と環境負荷の観点で課題があります。まず、動物福祉の観点では、動物の命を犠牲にして成り立つ革製品には倫理的な問題が伴います。
そして、環境負荷の観点では、畜産業全体として温室効果ガスの排出量が多いことが問題視されています。さらに、動物由来の革を製造するために大量の水を消費することや、加工に用いる化学薬品による水質汚染と大気汚染も懸念されているのです。
こうした背景から、環境にやさしく動物の権利を守れる素材として、革の代替品が注目されているのです。
なお、レザーに関わらず動物由来の素材を使用しない製品や、そうした製品を選択するライフスタイルを「アニマルフリー」と呼びます。
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合成皮革・人工皮革はどんな位置づけなの?

バッグや財布などでよく目にする合成皮革は石油由来の原料を使用して作られており、動物性素材を含まないため革の代替品の一種です。人工皮革も同様に動物由来の本革を人工的に再現した素材であり、動物性成分を含まないことから、革の代替品といえます。
主な革の代替品の種類

革の代替品として活用される素材はさまざまです。ここでは、代表的な素材とその特徴を紹介します。
合成皮革
石油由来のポリウレタンや塩化ビニルを布地にコーティングして作られるのが、合成皮革です。価格が安く加工しやすい点が利点ですが、石油を原料としているため、一般的には環境負荷が高いという懸念もあります。
人工皮革
合成皮革よりも、本革に近い風合いや耐久性を持つのが特徴です。スポーツ用品やランドセルなど、耐久性が求められる製品に使用されることが多く、高品質な素材として評価されています。
パイナップル由来
パイナップルの葉から抽出した繊維を利用して作られる、植物由来の素材です。柔軟性と軽さがあり、耐久性にも優れています。農業廃棄物を活用していることから、環境面でも評価できる素材といえるでしょう。
キノコ(マッシュルーム)由来
キノコの菌糸体から作られる素材で、本革に近い構造と質感を持ちます。短期間で生産可能な上、耐久性が高く、比較的水濡れにも強い素材です。再生可能な素材として、注目されています。
アップル由来
ジュースの搾りかすとして廃棄される、リンゴの皮などを再利用して作られる素材です。軽量で水に強く、環境への負荷が少ない点が特徴です。食品廃棄物の削減にもつながる取り組みとして、注目されています。
革の代替品のメリット・デメリット

革の代替品には多くの利点がありますが、一方で課題もあります。ここでは、そのメリットとデメリットを整理します。
メリット
第一に、動物の命を守れる選択肢となることが挙げられます。動物由来の素材を使用しないため、倫理的に安心して利用できます。
さらに、価格が手頃で軽量な点も魅力です。扱いやすく、日常生活に取り入れやすい素材といえるでしょう。
加えて、植物由来の原料を利用した物は環境負荷が少なく、持続可能な社会に貢献できる点も評価できます。
デメリット
利用する素材にもよりますが、劣化が早い場合があり、長期使用には不向きなことも。また、どうしても本革のように経年変化を楽しむことは難しく、風合いの深まりを期待しにくい点もデメリットです。
ただ、メンテナンスにより利用期間を延ばすことはできます。濡れてしまった場合は、すぐに水分をふき取る、汚れは乾いた布でふき取るといった手入れをしましょう。
革の代替品を利用した商品例

革の代替品は、バッグや財布、靴など幅広い商品に採用されています。例えば、バッグや財布、時計のバンド、ワイヤレスイヤホンのケースなどにも革の代替品を使用した商品があります。
レザーの雰囲気や質感を取り入れた商品が欲しいと思ったら、まずは革の代替品を探してみましょう。
革の代替品に関するQAまとめ
Q. 革の代替品とは何ですか?
A. 革の代替品とは、動物の皮を使わずに合成素材や植物由来の原料で作られる素材や製品です。本革に近い見た目や質感を持ち、価格が手頃で軽量な点が特徴です。
Q. なぜ革の代替品が注目されているのですか?
A. 動物性素材には、環境負荷と動物福祉の2つの課題があります。これらを解決できる素材として、革の代替品が注目されています。
Q. 革の代替品には、どのような種類がありますか?
A. 革の代替品には、合成皮革や人工皮革に加え、植物由来の素材としてパイナップル由来、キノコ由来、アップル由来などの植物由来の素材があります。これらは廃棄物や再生可能資源を活用しており、環境負荷を抑えながら実用性も備えています。
Q. 革の代替品のメリットとデメリットは何ですか?
A. 革の代替品のメリットは、動物の命を守れること、価格が手頃で軽量なこと、環境負荷が少ないことです。一方で、劣化が早い場合があることや、本革のような経年変化と風合いを楽しみにくい点がデメリットとして挙げられます。
革の代替品を日常生活に取り入れてみよう!
革の代替品は、動物の命を守りながら環境への負荷を軽減できる素材です。合成皮革や人工皮革といった従来の素材に加えて、パイナップルやキノコ、リンゴといった植物由来の革新素材も登場しており、今はより多様な選択肢から自身の好みにあった物を選択できるようになりました。
デザイン性や機能性に優れた商品がたくさん登場しているため、取り入れやすいのも革の代替品の特徴です。持続可能な社会を目指す小さな一歩として、日々の生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。


