アニマルフリー素材を選んで動物を守ろう!その意義や商品の選び方を紹介

私たちの身の回りには、気づかないうちに動物由来の素材が使われた商品があります。衣類やバッグ、靴だけでなく、化粧品や家具にもそうした素材が含まれることも。私たちがどのような商品を選ぶかによって、動物の暮らしや環境に影響を与えるのです。

そこで、動物を安易に利用しない選択肢として持ちたいのが、「アニマルフリー」です。今回は、アニマルフリーの意義や必要とされている理由、主な代替素材とその選び方を分かりやすく整理します。

アニマルフリーとは?

アニマルフリー

「アニマルフリー」は、毛皮やレザー、ウール、ダウンなどの動物由来の素材を使わない商品や、そうした商品を積極的に選択するライフスタイルを指します。また、さらに広い意味で、動物を犠牲にしないライフスタイル全般をアニマルフリーと呼ぶ場合もあります。

近年、アニマルフリーの考え方はファッションを中心に広がりを見せており、アニマルフリー素材を使ったバッグや靴、アウターなども増えてきました。さらに、化粧品や日用品の分野でも動物実験を行わない商品や植物由来の原料を使った商品が販売されており、動物福祉と環境保護の両面から注目されています。

アニマルフリーが求められている理由と背景は?

アニマルフリー

本革のバッグや靴、ウールのセーター、ダウンジャケットなどに代表されるように、私たちが普段手にする衣料品や靴、バッグなどには、動物性素材が広く使われています。

これらの素材を得るためには、動物の飼育や捕獲、加工といった過程で、動物に大きな負担がかかってしまうのです。例えば、ダウンジャケットの原料となる羽毛は、生きた水鳥から羽をむしる方法が採用されることがあります。

また、皮を得るためだけに利用される動物の存在も、動物福祉の観点から問題視されています。

こうした現状を背景に、「動物の権利を守ること」と「環境負荷を減らすこと」の2つの観点から、アニマルフリー商品を選ぶ意識が高まっているのです。

動物の権利を守る観点

毛皮産業や畜産業では、動物の過密な飼育環境や過酷な扱い、殺傷が問題視されています。動物が本来の行動を取れないような環境で飼育することは、動物の権利を侵害する行為ともいえるでしょう。

アニマルフリーや動物の権利に配慮した商品を選ぶことは、こうした行為を支持しないという意思表示につながります。動物の権利を守るためには、消費者一人ひとりが意思表示をすることが大切です。アニマルフリー商品を選択する消費者の意思表示が積み重なることで、企業や産業のあり方にも影響を与えることができます。

環境負荷を抑える観点

畜産による環境負荷を抑えるという観点でも、アニマルフリーが求められています。家畜の飼育や毛皮の加工は、大量の温室効果ガスを排出し、水資源を消費します。

このことから、畜産業は地球温暖化の大きな要因の一つとされており、環境への影響は無視できません。動物性素材を使わない代替素材へのシフトは、資源消費を抑えて環境保護に貢献する手段となるのです。

動物性素材とその代替例は?

アニマルフリー

動物性素材に代わる選択肢として、さまざまな新しい素材が開発されています。ここでは、代表的なものを紹介するので、商品を選ぶ際に参考にしてみてください。

パイナップルレザー
廃棄されるパイナップルの葉から作られる素材で、軽量かつ柔軟性があります。農業廃棄物を有効活用できる点も特徴です。

マッシュルームレザー
キノコの菌糸体を培養して作られる素材で、本革に近い質感を持ちます。短期間で生産可能なため、持続可能性の高い素材として注目されています。

リサイクルポリエステル
ペットボトルなどの廃棄物を再利用して作られる素材です。石油資源の使用を抑え、廃棄物削減も実現可能です。

これらの素材は、従来のレザーやウール、ダウンに代わる選択肢として、ファッション業界で広がりを見せており、バッグ・シューズ・アウトドアブランドなどで活用されています。

また、パイナップルレザーやマッシュルームレザーのように、アニマルフリーのレザー素材を「ヴィーガンレザー」と呼びます。

アニマルフリー商品を選ぶときのポイントは?

アニマルフリー

アニマルフリー商品を選ぶ際には、素材表示や認証マーク、企業姿勢を意識してみましょう。

素材表示をチェックする

商品を選ぶ際に、ラベルに記載された素材名を確認しましょう。「本革」「真皮」「フェザー」といった表記がある場合は、動物性素材が含まれています。反対に、「綿」「亜麻」などの植物繊維や、「レーヨン」「キュプラ」などの再生繊維などが表記されていれば、アニマルフリー素材である可能性が高いといえます。

認証マークを参考にする

世界最大の動物愛護団体であるPeTAが認証する「PeTA-ApprovedVegan」(※1)や、ヴィーガン・ソサエティの「ヴィーガン認証」(※2)などのマークは、動物性素材を使用していないことを示す目印になります。

※1 参考:PETA
※2 参考:TheVeganSociety

ブランドの企業姿勢に注目する

実際に、商品を販売する企業のWebサイトを訪問して、サステナビリティのページやCSRレポートを確認することも有効です。動物福祉や環境保護に積極的に取り組んでいる企業であることが分かれば、信頼して商品を購入できます。

アニマルフリーに関するQAまとめ

Q. アニマルフリーとは何を意味しますか?
A. アニマルフリーは、毛皮やレザー、ウール、ダウンなどの動物由来素材を使用しない製品やライフスタイルを指します。ファッションやコスメをはじめとした幅広い分野で広がりを見せ、動物福祉と環境保護の両面から注目されています。

Q. アニマルフリー商品を選ぶ際に確認すべきポイントは?
A. 素材表示を確認し、「本革」「真皮」「フェザー」といった表記がないかをチェックしつつ、各団体の認証マークや企業の取り組み姿勢をチェックすると安心です。

Q. 私たちが日常でできるアクションはありますか?
A. 可能な範囲で、アニマルフリー素材が使用された商品を選んでみましょう。消費者の選択が積み重なることで、企業にニーズを示すことができ、結果としてアニマルフリーの普及が進みます。

動物たちを安易に利用しないために、個人にできることは?

アニマルフリー素材を使用した商品を選ぶことで、企業に「アニマルフリー素材にはニーズがある」というメッセージを伝えることができます。

そうした消費者の小さな選択が積み重なることが、結果として市場全体の変化につながるのです。衣服やバッグなどを選ぶ際には、できるだけ素材表示やブランドの姿勢などに注目して、商品の選択基準の一つとしてみてはいかがでしょうか。

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