この記事の目次
クリスマスとは？
「クリスマス（Christmas）」は、「キリストのミサ（礼拝）」という意味の言葉です。もともとは、キリスト教の始祖であるイエス・キリストの生誕を祝う日で、「降誕祭」とも呼ばれます。
キリストの生誕を祝う日ではあるものの、12月25日が誕生日かどうかは定かではありません。聖書においてキリストは「光」とされているため、太陽神を信仰するミトラ教の「光の祭り」が行われていた12月25日が降誕祭として定められたという説があります。
クリスマスツリーやオーナメントの意味
今やクリスマスは世界中で楽しまれるイベントですが、現在親しまれているクリスマスの文化にも、もともとキリスト教に由来する意味が込められています。
例えばクリスマスツリーには、「永遠の命」の象徴であるモミの木を使うことから、キリストの誕生と永遠の命を祝う意味が込められています。ツリーの頂点に飾られる星のオーナメントも、キリストの誕生を知らせる「ベツレヘムの星」を表しており、丸型のオーナメントは「禁断の果実」を意味すると言われています。
毎年なんとなく飾っているクリスマスのデコレーションも、背景にあるストーリーを調べてみるとより楽しめるかもしれません。
クリスマスイブの本来の意味
日本では、12月24日のクリスマスイブもクリスマス当日と同様の盛り上がりを見せています。実は、クリスマスイブは本来「クリスマスの前日」という意味ではないことをご存知でしょうか？
クリスマスイブの「イブ」とは英語の「evening」であるため、もともとは「クリスマスの夜」という意味です。ですが、キリスト教のルーツであるユダヤ教の暦では、日没から1日が始まるとされているため、現代の暦では12月24日の夜からクリスマスの一日が始まります。
つまり、クリスマスイブはクリスマスの前日の夜を表しているのです。
世界各国のクリスマスの過ごし方は？
クリスマスは世界中で親しまれていますが、国ごとで楽しみ方に特徴があります。今回はイギリス、ドイツ、フィンランド、オーストラリアでの過ごし方をご紹介します。
イギリス
イギリスでは、クリスマスは家族で集まります。25日の夜のディナーでは、「ローストターキー」や「クリスマスプディング」と呼ばれるケーキなどを食べるのが一般的です。
また、イギリスは家族や親しい人にクリスマスカードを贈る文化が根強く、イギリス人は世界で一番カードを贈るとも言われています。他にも、クリスマスクラッカーを鳴らしてお祝いをする習慣もイギリス特有です。
ドイツ
ドイツはクリスマスマーケットの発祥の地であり、14世紀ごろから続いています。クリスマスツリーの飾りつけも、ドイツ南西部のフライブルクから始まったという説があります。
ドイツでは、クリスマスイブまでの約4週間を「アドベント」と呼びます。この期間には、12月1日から24日までの小さな窓が付いた「アドベントカレンダー」を使い、毎日1つずつ窓を開けて、中に入っているお菓子や小物を楽しむ習慣があります。
また、「シュトレン」と呼ばれる発酵菓子を少しずつ切り分けて食べながら、クリスマス当日を待ちわびる習慣も受け継がれています。
フィンランド
フィンランドはサンタクロースの故郷と言われており、北部のラップランドにあるロヴァニエミの「サンタクロース村」は特に有名です。
当日を迎える前までに、友人や職場の仲間と「ピッカヨウル （Pikkujoulu）」と呼ばれる小規模なクリスマスパーティーを開いて楽しみます。また、「ピパルカックタロ （piparkakkutalo）」と呼ばれる、ジンジャークッキーで作られた可愛らしいお菓子の家を作り、家に飾ってクリスマスのムードを盛り上げます。
オーストラリア
南半球にあるオーストラリアのクリスマスは真夏の時期にあたるため、過ごし方が大きく異なります。ビーチや公園でバーベキューを楽しむのが一般的です。
サンタクロースも暑い気候に合わせて厚着ではなく半袖のシャツを着ており、イベントやパーティーなどでは、船やカヌー、水上バイク、モーターボートなどに乗って登場します。また、パートナーもトナカイではなく、オーストラリアの代表的な動物であるカンガルーです。
クリスマスが環境に与える影響は？
このように世界中で楽しまれているクリスマスですが、環境への負荷も指摘されています。総務省の2024年の「家計調査報告」によると、2人以上の世帯の家計支出が12月に最も多く、年末の他にクリスマスシーズンによる支出の増加も影響しているといえます。
プレゼントの用意やイベントの準備など、楽しい時期である一方で、大量消費・大量廃棄が発生しやすい時期でもあるのです。
例えば、次のようなケースが問題視されています。
- クリスマスケーキの食べ残しや売れ残りの廃棄
- 役目を終えたクリスマスツリーの廃棄
- イルミネーションライトや飾りなどの廃棄
- プレゼントの過剰包装と廃棄
クリスマスケーキや包装ごみなど、クリスマスにまつわるさまざまな廃棄物の問題がありますが、特にクリスマスツリーの廃棄による影響が世界的に注目されています。ヨーロッパなど、生木をクリスマスツリーとして飾る風習がある国では、毎年同時期に大量のクリスマスツリーが廃棄されてしまうのです。
また、イルミネーションの廃棄の問題もあります。イルミネーションの多くは、再利用されることなく廃棄されるため、資源循環の妨げとなります。さらに、イルミネーションには貴重な銅が使われているため、資源の枯渇リスクも高めているのです。
※参考：総務省統計局「家計調査報告（家計収支編）2024年（令和6年）平均結果の概要」
今年のクリスマスはエシカルに過ごしてみよう！
環境への負荷に気を遣いつつ、クリスマスを楽しむためには、プレゼントの購入やイベントの準備の際にエシカル消費を心がけることが大切です。その具体的な方法をご紹介します。
ケーキを予約購入する／手作りする
クリスマスの定番であるクリスマスケーキですが、毎年問題となっているのが売れ残りによる大量廃棄。こうした食品ロスを減らすため、最近は必要な分だけ作れる予約販売を中心にしている店舗が増えています。計画的な予約購入をしてみましょう。
また、今年はキットなどを使って、手軽にできるクリスマスケーキの手作りに挑戦してみるのも一つの方法です。自分や家族が食べきれる量で作れるため、食品ロスの削減につながります。飾りつけを楽しんだり、好みの味にアレンジしたりと、エシカルでありながら思い出にも残る過ごし方ができます。
エコなオーナメントで飾りつけをする
クリスマスツリーやクリスマスリースなど、クリスマスを彩るさまざまなオーナメントも、なるべく環境負荷が少ないものを選んでみましょう。廃材を利用したものやFSC®認証ラベルが付与されたものを選んだり、レンタル品や長く使えるものを選んだりすれば、飾りつけやその廃棄による環境負荷を抑えることができます。
エシカルなギフトを選ぶ
クリスマスギフトを選ぶときは、環境や社会に配慮したエシカルなギフトを意識してみてはいかがでしょうか。その際、認証マークを目印に探してみてください。
例えば、適切に管理された森林の樹木や、適切だと認められたリサイクル資源で作られた紙・木材製品につけられる「FSC®認証ラベル」があります。他にも、原料から廃棄までのライフサイクル全体で環境負荷が少ない商品につく「エコマーク」などがあります。
また、アップサイクルなどサステナブルな素材で作られた製品や、プラントベースの材料でできたお菓子などもおすすめです。
社会に配慮したギフトとしては、発展途上国の生産者を公正に支援する「フェアトレード認証」がついたコーヒー、チョコレート、紅茶なども最適です。
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ギフトの過剰包装を断る
クリスマスシーズンのギフトは包装が華やかになりがちですが、過剰な包装は資源のムダ遣いとなり、環境に悪影響があります。
シンプルな包装にできないかお店にお願いしたり、再利用可能なギフトバックやギフトボックスで包装したりする方法がおすすめです。
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クリスマスの過ごし方に関するQ＆Aまとめ
Q.クリスマスとクリスマスイブの意味は？
A.クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う12月25日の祝日です。クリスマスイブはその前夜である24日の夜を指します。
Q.クリスマスの過ごし方には、どのようなものがありますか？
A.例えば、イギリスではクリスマスカードを贈り合い、クラッカーを鳴らして祝います。ドイツではクリスマスマーケットが盛んで、アドベント期間中にカレンダーやシュトレンで準備を楽しむのが慣習です。このように、国によって過ごし方の慣習はさまざまです。
Q.クリスマスをエシカルに過ごすには、どうすればいいですか？
A.ギフトやオーナメントの購入の際には、認証マークを目印にするなど、エシカル消費を実践してみるのがおすすめです。また、食品ロスやエネルギーの過剰使用を抑える対策をしましょう。
今年のクリスマスは、エシカルな過ごし方をしてみよう
さまざまな楽しみがあるクリスマスですが、消費が増える時期でもあります。いつもの過ごし方にエシカルな視点を加えることで、地球や社会に配慮しながら、心置きなくクリスマスを楽しむことができるはずです。
今年のクリスマスは単に消費をするだけでなく、エシカルな選択を意識してみてはいかがでしょうか。
