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有機JASマークとは?

※出典:農林水産省「有機JASマーク画像」
有機JASマークは、農林水産大臣が定めた「有機JAS規格」をクリアした製品にのみ貼れる、信頼の証となるマークです。
日本国内では、このマークがない商品に「有機〇〇」「オーガニック〇〇」といった言葉を表示して販売することは、法律で禁止されています。つまり、消費者が「これは本物の有機食品だ」と判断するための指標となるのが、このマークなのです。
マークのデザインは「太陽」「雲」「植物」をモチーフとしており、農薬や化学肥料に頼らず、自然界の力で生産された農産物や加工食品などであることを表現しています。
なぜ「有機」を選ぶことがエシカルなの?
有機JASマークがついた商品を選ぶことは、健康のためになるだけではありません。有機食品を選ぶことは、地球環境の保護につながるというエシカルな側面も持っています。
例えば、化学農薬や化学肥料に頼らない栽培は、田畑にすむ微生物、虫、鳥、そしてそれらを食べる動物たちの生態系を壊しません。また、化学肥料の製造や輸送には多大なエネルギーが必要となりますが、有機栽培であればこうしたエネルギー使用を抑えられます。
有機JASマークがついた食品の選択は、地球環境への貢献にもつながることを知っておきましょう。
自治体の取り組み例:埼玉県小川町の事例
有機食品の栽培に取り組む自治体の例もあります。例えば、埼玉県小川町では、1970年代から有機農業が行われており、2008年からは「小川町有機農業推進協議会」を設立して、地域の有機農業の後押しを進めています。
現在では、約70軒の生産者が有機農業に取り組んでおり、技術研修や普及活動などを通じてさらにその輪を広げています。
※参考:小川町有機農業推進協議会
有機JAS認証の5つのカテゴリー

有機JASマークが対象とするのは、実は生鮮野菜だけではありません。大きく分けて、次の5つのカテゴリーで認証が行われています。
有機農産物
最も身近なカテゴリーであり、化学的に合成された肥料や農薬を原則として使用していない農産物を指します。
多年生の農作物は最初の収穫前から3年以上、それ以外の農産物は種まきや植え付け前の2年以上にわたって、堆肥(たいひ)などによる土作りを行った畑や田んぼで生産された場合に認証されます。
有機加工食品
有機農産物や有機畜産物を原料として、製造された食品です。化学合成された添加物や薬剤の使用は厳しく制限されており、原材料の95%以上が有機食品で作られていなければなりません。具体例としては、醤油(しょうゆ)、味噌(みそ)、豆腐、ジュースなどがあります。
有機畜産物
動物の生理生態に配慮して、ストレスの少ない快適な環境で飼育された家畜から得られる製品を指します。飼料も原則として、有機農産物や天然物質に由来する物が与えられる点が特徴です。そうして育てられた肉、卵、牛乳などが有機畜産物に該当します。
有機飼料
有機畜産物のエサとなる飼料です。有機農産物と同じ基準で、化学肥料や農薬を使わずに栽培された飼料を指します。全体の95%を有機農産物などが占めていなければ、有機飼料という名称をつけることはできません。
有機藻類
近年追加されたカテゴリーで、ノリやワカメ、昆布などの海藻類が含まれます。採取する海域の環境管理や加工工程での薬品不使用などが基準となります。養殖場において、窒素やリンなどの栄養素の投与は制限されており、 漁具なども再利用できる物を活用することが求められます。
有機JASマークの認証基準は?

有機JASは、単に農薬を使わないことではなく、その生産システム全体が持続可能かどうかが問われるものです。有機農産物を例に、主な基準を解説します。
※参考:農林水産省「日本農林規格 有機農産物」
ほ場(田畑)に対する基準
認証は、土作りから始まります。種まきや植え付けの前から、原則として2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない土壌を利用する必要があります。また、隣の畑から農薬が飛散してこないよう、緩衝地帯を設けたり、生け垣などでバリアーを作ったりなどの対策も求められます。
種子や苗に対する基準
有機農産物の認証基準を満たすためには、原則として、有機栽培で得られた種子や苗を使用する必要があります。苗を育てる段階でも、化学的に合成された農薬や肥料の使用は制限されています。遺伝子組み換え技術は一切使用できません。
収穫・輸送・包装などに対する基準
収穫やその後のルールも定められています。非有機の商品と混ざったり、薬剤によって汚染されたりしないよう、管理を徹底しなければなりません。作業器具や保管場所についても、農薬や洗浄剤、消毒剤などによって汚染されないように管理を行う必要があります。
有機JASマークの探し方と選び方は?

有機JASマークは、私たちが普段手にする食品にも付与されています。スーパーやネットショップで、マークがついた食品を探してみましょう。
スーパーでの見つけ方
最近では、一般的なスーパーでも「オーガニックコーナー」が特設されることが増えました。野菜売り場では、旬の野菜を中心に、パッケージにマークがついていないかを探してみましょう。
野菜以外にも豆腐や納豆、調味料などの加工食品の棚もチェックしてみると、発見があるかもしれません。有機醤油、有機味噌、オーガニックコーヒー、有機茶などは、賞味期限が長く、日常生活にも取り入れやすい商品です。
大手スーパーが、独自のオーガニックブランドを展開するケースも増えています。こうした有機食品は、比較的手頃な価格で手に入る点がメリットです。
ネットショップの活用
近所に有機食品を扱う店が少ない場合は、ECサイトが便利です。「有機JAS」「オーガニック」といったキーワードで検索すれば、お米や重たい調味料、まとめ買いしたい保存食などが簡単に見つかります。
有機JASマークに関するQ&Aまとめ
Q1.有機JASマークとは何ですか?
A. 有機JASマークとは、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らずに、自然界の力で生産された食品であることを証明する規格の印です。
Q2.有機JASマークは、どのような審査基準で付与されていますか?
A. 種まきや植え付けの2年以上前から、禁止された農薬などを使用していない土壌で栽培され、生産から出荷まで非有機製品との混同がないよう、厳格に管理されることで付与されます。
Q3.有機JASマークがついた商品を探す方法は?
A. スーパーの「オーガニックコーナー」やパッケージ表面にある緑色のロゴを目印にする他、ネットショップで「有機JAS」と検索すると簡単に見つけられます。
スーパーやネットショップで「有機JASマーク」を探してみよう!
厳しい認証基準をクリアし、有機JASマークが付与された製品を意識的に選ぶことは、自分自身の健康を労るだけでなく、持続可能な農業に取り組む生産者を支え、地球環境の保護に貢献することにもつながります。
まずは、いつも買っている調味料やコーヒー、紅茶を1つだけ、あるいは週末の野菜を1品だけ、有機JASマークつきの商品に変えてみませんか? その小さな選択が、みなさんの健康と地球のより良い未来を作るはずです。


