この記事の目次
3Rとは?
3Rとは、リデュース・リユース・リサイクルの3つの頭文字を取った言葉です。まずは、それぞれの意味について見ていきましょう。
1.リデュース(Reduce)
リデュース(Reduce)とは、物を減らす取り組みを指します。耐久性の高い物を選んだり、過剰な購入を避けてムダな消費を控えたりすることで、資源の消費を減らします。
リデュースの具体例
- 食品ロスを防ぐために、計画的に食材を購入して消費する。
- 長持ちする品質の良い製品を購入して、買い替えの頻度を減らす。
- マイカー通勤をやめて公共交通や自転車を使うことで、燃料消費を減らす。
2.リユース(Reuse)
リユース(Reuse)とは、同じ物を繰り返し使う取り組みです。古くなった物や不要になった物を捨てるのではなく、利用したい人に譲ったりリサイクルショップで売ったりすることで、ムダにせず再利用します。
リユースの具体例
- 古着や家具をリサイクルショップやフリーマーケットで買ったり売ったりして、再利用する。
- シャンプーやトリートメントなどの洗剤の容器を捨てずに、中身だけ詰め替える。
- ガラス瓶や食品容器を保存容器や小物入れとして、再利用する。
3.リサイクル(Recycle)
リサイクル(Recycle)とは、物を資源として再生利用する取り組みです。ゴミを分別した上で種類ごとに加工することで、新しい製品の原料などにします。ゴミを単に捨ててしまうのではなく、新たな原料に生まれ変わらせることで、資源の利用やムダを減らせます。
リサイクルの具体例
- ペットボトルを回収ボックスに入れ、新しいボトルや衣料品に再生する。
- 金属缶を分別して、新しい缶や金属部品に生まれ変わらせる。
これらは、①リデュース、②リユース、③リサイクルの環境への負荷を減らす効果が高い順番で取り組むことを、環境省も推奨しています。
まずは、ゴミを出さない工夫(リデュース)を優先しつつ、可能な限り物を再利用(リユース)して、廃棄が必要な場合は資源として再利用できるように分別(リサイクル)することが望まれています。
4R、5Rとは?
3Rだけでなく、「リフューズ(Refuse)」「リペア(Repair)」を加えて4R、5Rとする考え方もあります。リフューズ・リペアもまた、資源を効率的に利用して、環境負荷を低減させるために有効な取り組みです。
4.リフューズ(Refuse)
リフューズ(Refuse)とは、不要なものを受け取らない・買わないことでゴミの発生を防ぐことです。
日々、生活するなかで「本当はいらないけど、もらっておこうかな」と、不要な物を受け取ってしまうこともあるのではないでしょうか。資源をムダにしないためにも、必要最小限の物だけを受け取る意識が大切です。
リフューズの具体例
- 使い捨て容器やカトラリー、袋の利用を断り、マイボトルやマイバッグを使用する。
- 無料でもらえるノベルティやチラシを必要な物だけ受け取る。
5.リペア(Repair)
リペア(Repair)とは、壊れた物を修理して長く使うことです。衣類のボタンが取れてしまっても付け直せば着られたり、壊れた家電も修理したりすれば使用できます。可能な限り物を直して使い続ければ、限りある資源の消費を抑えられます。
リペアの具体例
- 革製のカバンや靴、小物の禿げた塗装を塗り直して使う。
- 家具のキズを専用のクレヨンで補修する。
なぜ3Rの取り組みが必要なの?
それでは、なぜ3Rの取り組みが必要なのでしょうか。ここでは、3Rに取り組むべき理由をご紹介します。
有限の資源を有効活用するため
石油、金属、木材など地球の資源には限りがあります。特に石油をはじめとした化石燃料は、生成されるまでに長い年月が必要で、ムダ遣いできるものではありません。
ムダなものを買わない、再利用するといった3Rの取り組みで、消費される資源量を抑えることができます。資源の持続可能な利用を実現するためには、3Rの取り組みが必要なのです。
環境負荷を減らすため
ゴミが増えるほど、適切に処理されないゴミによる環境汚染が問題になります。実際に、未処理の海洋プラスチックによる生態系への影響など、分解されないゴミによる環境汚染が進んでいます。
3Rの活動によって、このような「ゴミによる環境問題」の影響を抑えることができるのです。
ゴミ処理の負担を減らすため
ゴミを処理するためには、埋め立てや焼却処理をしなければいけません。それには、大規模な土地や焼却場の建設が必要です。また、ゴミの焼却を行えば大気汚染が起こり、温室効果ガスも排出されます。
このように、ゴミ処理は環境に負荷を与えるのです。3Rによって、家庭や産業で出るゴミの量を減らすことで、私たちの住む場所の環境を未来にわたって守ることができます。
今日からできる!具体的な3Rの取り組みは?
では、具体的にどのように3Rに取り組めばよいのでしょうか。ここでは、具体的な3Rの取り組み例をご紹介します。
1.リデュース(Reduce):商品の包材や袋に注目しよう
商品には、見た目や利便性の観点からさまざまな包材が使われています。ですが、その多くは化石燃料を原料としたビニールやフィルムです。
そこでまずは、リデュースの取り組みとして、買い物の際に過剰包装された商品を避け、簡易包装やリサイクル可能なパッケージを選んでみてはいかがでしょうか。
例えば、ラベルレスの商品を選ぶことも有効です。LOHACOでは、水や炭酸水などのラベルを除いたラベルレス商品を販売しています。さらに、お店でレジ袋などを断ってエコバッグを使用することも簡単にできる取り組みです。
こうした行動をすることで、化石燃料の枯渇や使用済みプラスチックによる環境汚染の防止に貢献できます。
2.リユース(Reuse):中古品にも目を向けよう
商品を選ぶ際は、新品だけでなく、まだ使える中古品がないか探してみましょう。汚れや傷も少なく、まだまだ使える未使用品や状態のいい中古品も多く存在します。
なかでもフリマサイトでは、手軽に中古品を販売・購入することができます。物を買う前、捨てる前に利用を検討してみてはいかがでしょうか。
3.リサイクル(Recycle):企業の取り組みにも注目しよう
主にリサイクルの起点となるのが、消費者によるゴミの分別です。各自治体では、リサイクルしやすいようにゴミを分別して回収しているため、商品のパッケージに表示されているリサイクルマークを確認しながら、適切に分別を行いましょう。
また、リサイクルできる商品を購入したり、使用済み製品を再資源化して作られたリサイクル製品を購入したりすることも有効です。そうした製品を販売するなど、資源の循環に取り組んでいる企業の取り組みに注目すると、これまでとはまた違う視点でお買い物ができるかもしれません。
例えば、アスクルでは「資源循環プラットフォーム」という取り組みのなかで、使用済みのクリアホルダーを回収し、再資源化・再製品化しています。
ささやかな3Rで、少しずつ持続可能な社会に変えていこう
3Rを進めていくには、企業の努力はもちろん、消費者の工夫も必要不可欠です。
日常生活の中で過剰包装の受け取りを避けたり、ゴミを適切に分別したりといった、一人ひとりのささやかな行動が、持続可能な社会の実現につながります。
まずは、無理なくできることから、少しずつ3Rを意識してみてはいかがでしょうか。