サステナブルな企業とは?具体的な取り組み事例を紹介

サステナブルな世界を実現するためには、企業の取り組みが重要です。その実現に向けて、各企業ではさまざまな活動を進めています。

そして、消費者がサステナブルを意識した経営に取り組む企業を優先的に選ぶことで、個人も地球環境や社会の問題解決に間接的に貢献できるのです。この記事では、企業のサステナブルな取り組み事例をご紹介します。

サステナブルな取り組みを進める企業とは?

サステナブル企業

サステナブルに対する意識の高まりを背景に、持続可能性に配慮した「サステナブル経営」を進める企業が増えてきています。ここではまず、サステナブル経営の意味や注目される背景についてご紹介します。

サステナブル経営の概要とメリット

そもそもサステナブルとは、「持続可能である」という意味の英語で、世界が持続可能な発展を目指せるよう、環境保護、社会的責任、経済的発展などを実現するための考え方を指します。

つまりサステナブル経営とは、こうした考え方に基づき、長期的に事業を続けていくための経営のことをいいます。サステナブル経営に取り組むことで、イメージの向上だけでなく、消費者から選ばれやすい企業となり、事業の成長にもつながるのです。

サステナブル企業が注目される背景

サステナブル経営が注目されている背景として、気候変動や資源枯渇などの環境問題や社会問題の深刻化に伴う消費者意識の変化があります。企業が提供する商品やサービスの内容だけでなく、「問題の解決に貢献できる商品・サービスを選択したい」という意識を持つ方が増えています。

こうした意識を持つ消費者に向けて、目先の利益を追求するだけでなく、サステナブルな経営に取り組む企業が増えているのです。

企業のサステナビリティはどう評価される?

サステナブル企業

企業のサステナビリティについて、国内外ではさまざまな評価が行われています。例えば、環境省が主催する「ESGファイナンス・アワード」では、環境サステナブル企業部門として、環境関連の課題を経営戦略に組み込み、企業価値の向上を図る先進的な企業を表彰しています。

また、株式会社Sincでは、「JSBI(Japan Sustainable Brands Index)」として企業のサステナビリティへの取り組みがどのように消費者に認識されているかを分析する調査を実施。

その他にも、環境情報開示を推進する国際NGOのCDPでは、「Aリスト」として気候変動などの対策における先行企業を評価しています。2024年度は、日本企業の中では「気候変動」「ウォーター・セキュリティ」「フォレスト」の3つの分野で先進的な取り組みを行うトリプルA企業として、花王株式会社と積水ハウス株式会社の2社が選出。

花王では、バイオマスを熱利用できるプラントの建設や食器用洗剤ボトルを薄くしてプラスチック使用量を減らす取り組みなどを進めています。また、積水ハウスでは住宅の脱炭素化に向けた活動など、住環境の面から環境負荷の低減を目指しています。

※参考:CDP「Aリスト企業 経営者からのメッセージ

さまざまな企業のサステナブルな取り組みを紹介

他にも、サステナブルな企業の取り組み例をご紹介します。

花王:個人と社会、地球のための取り組み「Kirei Lifestyle Plan」

花王は、環境や人にやさしい暮らしを広げるための取り組み「Kirei Lifestyle Plan」を進めています。

地球温暖化を防ぐために工場のCO₂排出を減らし、再生可能エネルギーの利用も拡大。また、ゴミを減らすためにシャンプーや洗剤の詰め替えパックを広めたり、容器にリサイクル素材を使ったりと、プラスチックの再利用にも力を入れています。

さらに、森林などの自然を守るために原材料の使い方を工夫している他、全ての人を大切にする職場づくりや子どもと地域への支援なども行っています。環境にも人にもやさしい社会を目指し、企業としてできることを幅広く実践しているのです。

※参考:花王「花王のESG戦略 – Kirei Lifestyle Plan

明治:酪農家やカカオ農家を含めた多角的な支援を実施

明治は、サステナブルな牛乳の提供を目指して、酪農乳業やカカオ産地に対してさまざまな取り組みを行っています。持続可能な酪農経営のノウハウを共有するコミュニティーサイトでの酪農支援や、酪農教育ファームによる次世代育成、牛の糞尿から堆肥を作って牛の飼料材料とする環境負荷軽減などを推進しています。

また、チョコレートの原料となるカカオについても、独自の取り組みである「メイジ・カカオ・サポート」を実施。2006年に始まった「カカオ農家支援活動」では、カカオ豆生産の持続可能性を高めるため、技術支援や農家の生活向上、環境保全・回復などの社会課題の解決に取り組んでいます。

さらに、2026年までに、原材料がどこの誰によって作られたのかを追跡するトレーサビリティの確立を目指しています。これにより、児童労働監視改善システムの導入や農園とその周辺地域への森林保全活動などの社会課題対応へとつなげているのです。

その他にも、廃棄されるカカオ豆の種皮を使った植物由来のお菓子のトレーや、カカオの種皮を用いたジーンズをエドウィンとの共同企画で販売するなどのアップサイクルにも積極的に取り組んでいます。

※参考:明治「サステナビリティ

アスクルのサステナブルな取り組み事例を紹介

サステナブル企業

ここからは、日用品や事務用品などを提供するアスクルの取り組みをご紹介します。アスクルでは、サステナブルな世界の実現に向けて、「サステナビリティ基本方針」に基づいた取り組みを進めています。

サステナビリティに対する基本方針と環境方針

アスクルでは、持続可能な社会の実現に向けた活動指針として、2020年に「サステナビリティ基本方針」を策定しました。

<サステナビリティ基本方針>
私たちアスクルグループは
仕事場とくらしと地球の明日を支える企業として
志を同じくする仲間と共に
グループ自らの成長を通じて
持続可能な社会の実現に貢献します。

サステナビリティ報告 基本方針等」アスクル 

さらに、「アスクル環境方針」として「脱炭素社会の実現」や「資源循環型プラットフォームの構築」「生物多様性の保全」の3つを重点項目と定め、これらの実現に向けた取り組みを進めることを宣言しています。

アスクルが目指す環境経営」アスクル

廃棄ゼロを目指す「Go Ethical」

Go Ethical

アスクル環境方針のうち、「資源循環プラットフォームの構築」に関連する取り組み例として、「Go Ethical」があります。

Go Ethicalとは、メーカーのブランド価値の保護や商習慣などを理由として廃棄されていた商品や、製造工程で発生する規格外品、端材などの廃棄予定品を、お得な価格で提供する取り組みです。

Go Ethicalは単なる「安売りアウトレット」ではなく、「廃棄削減」に光を当てた活動で、アスクルとメーカーとの共創により実現しており、2025年6月20日時点の集計では、累計廃棄削減数が2,483,730個になりました。

捨てないための仕組み「アスクル資源循環プラットフォーム」

アスクル資源循環プラットフォーム

同様に捨てないための取り組みとして、「アスクル資源循環プラットフォーム」についてもご紹介します。この取り組みは、商品の設計・企画から製造、販売、使用後の再利用、資源化・再商品化までの商品ライフサイクル全体を通して、資源循環の促進を目指すものです。

具体的には、事務用品として広く利用されているクリアホルダーのリサイクルを推進したり、飲料や洗剤などの容器をリユースするモデルの構築を進めたりといった挑戦を行っています。

植えて、育てて、収穫する「1 box for 2 trees project」

     
1 box for 2 trees project

アスクルが2010年10月から開始したプロジェクトに「1 box for 2 trees project」があります。

アスクルのインドネシア製コピー用紙A4サイズを5,000枚作るには、原材料としてアカシヤやユーカリの木が1本必要です。そこで、本プロジェクトを通して、インドネシア製のアスクルオリジナルコピー用紙を1箱(5,000枚)購入された場合には、お客様の購入代金の一部を原材料以上にあたる2本の木の植林に利用しています。

本プロジェクトによって、2025年5月時点で東京ドームおよそ3.7万個分に相当する、2億4,963万本の植林につながりました。

CO₂の削減を進める「CO₂ゼロチャレンジ」

CO₂ゼロチャレンジ

アスクル環境方針のうち、「脱炭素社会の実現」に該当する取り組みとして、2016年に「2030年CO₂ゼロチャレンジ」を発表しました。

CO₂(二酸化炭素)は、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことで排出される温室効果ガスの一つで、地球温暖化の主な要因とされています。

そこで、アスクルでは2030年までに事業所・物流センターからのCO₂排出量をゼロにし、また物流センターからお客様に商品をお届けする車両からのCO₂排出量をゼロにすることを目指しています。

目標実現に向け、2017年には「RE100」と「EV100」への加盟を行いました。RE100は、事業に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする取り組みで、EV100は事業運営に関係する車両を全て電気自動車に転換することを目標としています。

アスクルでは、配送におけるEV(電気自動車)の活用や物流センターへの再生可能エネルギーの導入など、目標達成に向けた取り組みを進めています。

※参考:アスクル「気候変動・脱炭素

個人でできるサステナブルな取り組みは?

サステナブルな取り組み

ここまで、企業におけるサステナブルな取り組みをご紹介してきました。ですが、サステナブルな世界の実現のためには、個人の取り組みも重要です。

例えば、個人では以下のような取り組みを通して地球環境や社会の課題解決に貢献できます。

  • マイバッグ・マイボトルを持ち歩く
  • ゴミの分別とリサイクルを習慣にする
  • 繰り返し使える・詰め替えできるアイテムを選ぶ
  • 環境に配慮したアイテムを選ぶ
  • ナチュラルクリーニングを実践する

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持続可能なくらしを実現するために、サステナブルな企業に目を向けてみよう

今回は、企業のサステナブルな取り組みについて、具体的な事例を通してご紹介しました。サステナブル経営を行う企業が生産・提供する商品やサービスを選択することで、消費者のみなさんも間接的にサステナブルな世界の実現に貢献できます。

実店舗やECサイトなどで商品を選ぶ際に、さまざまな企業の取り組みにも注目してみてはいかがでしょうか。

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